出版社内容情報
クルド系イラン人の難民ナビッドの体験した本当のお話です。4歳のナビッドはイランから脱出した父を追って安住の地へ向かいます。
難民を助ける会[ナンミンヲタスケルカイ]
アンディ・グリン[アンディグリン]
内容説明
ナビッドが4歳のとき、父親は命の危険を感じて、やむなくイランから脱出しました。その後ナビットも母とともに、父を追って安住の地へ向かいます。その長い旅路のなかで経験した恐ろしいできごとや数々の苦労が語られます。しかし、やっと再会した父親に対してナビッドは思いがけない感情を抱くのでした。クルド系イラン人の難民ナビッドの体験した本当のお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
23
2作目はイランの男の子。お母さんと一緒に逃げて、逃げて、ついにお父さんと会えるまでなんですが、これが彼目線で説明されているところがすごく子供にはリアル。「どこにいるかわからないけれど、ママがいるから」がやっぱり子供には安心感なんですね。親への信頼の気持ちってすごいなあ。裏切れないよなあ。新天地での生活も、両親がいれば大丈夫。そんなところに胸がチクン。2017/05/16
あおい
15
逃げ出さなければ命が危ない。もう二度と故国には戻れないとしても…。そして言葉もわからない新しい場所での生活。どれほど大変だったか。それでも逃げだせたのは幸せな事だというナビット。心が痛みます。2017/06/27
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
原案はBBC(英国放送協会)制作のアニメーションを絵本化したシリーズ。難民の定義は様々ありますが、このシリーズは、保護を求めて国外に逃れた人を難民と呼んでいます(監修者註。) 第2巻はクルド系イラン人の男の子ナビットが4歳の時、父が命の危険を考えて脱出、その後ナビットと母もイランを後にした実話。クルド人というだけで処刑された母の親類たち、ナビットたちが逃げれて良かった。2022/03/04
ヒラP@ehon.gohon
11
言われなき理由で迫害を受けること、やっとの思いで国を離れたら、故郷にはもう戻れないこと、新しい場所でも疎外を感じながら暮らしていかなければならないこと。辛さのなかにいるナビッドです。平和に暮らせることのありがたさをしみじみと感じます。2017/01/24
遠い日
10
このシリーズの子どもたちは、想像を絶する苛酷な状況を受け入れてきた子ら。生きることの凄惨さをいやというほど味わって来た。母国を脱出し、新しい国で、生き直す辛さを思い知らされている。なのに、決して希望を失わない強さに頭が下がります。2017/02/06