出版社内容情報
10歳の難民アリの体験した本当のお話です。アリは、戦争を避けて自国アフガニスタンから祖母とともに逃れていきます。
難民を助ける会[ナンミンヲタスケルカイ]
アンディ・グリン[アンディグリン]
内容説明
アリは、戦争を避けて自国アフガニスタンから祖母とともに逃れていきます。戦争のせいで他国に逃げてきた子どもやその家族がこうむるであろう疎外感や、一家離散の苦しみ、悲しみがつづられ、また、そうした困難をのり越えていくための一筋の希望も語られています。10歳の難民アリの体験した本当のお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼりちゃん(旧 aiaimo`olelo)
31
この絵本を目にすると、「難民って何?」から始まってウクライナのことを思ったのか「ウクライナの絵本なの?」と聞いてきた息子。この絵本ではアフガニスタンが舞台になっているけど、途中で「ウクライナは?」「ウクライナも?」と何回か気にしていました。 戦争を避けるために親と離れ離れになってしまった10歳のアリ。寂しさ、孤独、怒り、疎外感など彼の複雑な気持ちが伝わってきます。わずかであっても希望を持ち、必死に適応しようとするアリ。 まさに今このような子ども達が増えていることを思うとやるせない気持ちになります。 7歳2022/04/26
たまきら
20
読み友さんから。シリーズなんですね。両親との強烈な別れにオタマさんあぜん。たまたまオトンがつけた朝のニュースで、イランから難民としてやってきているご家族の朝ごはんを紹介していたんですが、この本の地図を見て「イランはお隣なんだね」ねえ。本当に世は不公平だなあ。2017/05/16
ののまる
17
知り合いにアフガン難民の青年がいます。知的レベルも高くちゃんと迫害の証拠もあるのに、まだ日本で難民認定もされず不安定な立場で数年間すごしています。強制退去させられたら殺されるというのに。この絵本も実話ということですが、アリの表情がとても暗く目がどこを見ているかわからない。辛いです。2017/01/31
七月せら
17
「難民」にはいろいろな定義があって、個々人に目を移せばさらにいろいろな事情があるはず。そんなひとつひとつの現実を知りたくて手に取ったシリーズ1作目。荒れた故郷から脱出する途中の、家族と離れ離れになる辛さ。言葉も文化も違う国で生活する苦しさ。「はらが立ってしかたがないときもあるけど たいていはものすごく、さびしいです。」家があって学校に行ける国に移住する事ができても、心から平和な生活を送れる日はまだ遠い。そんな子どもたちの夢がひとつひとつ叶っていく世界を目指したい。2016/11/27
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
原案はBBC(英国放送協会)制作のアニメーションを絵本化したシリーズ。難民の定義は様々ありますが、このシリーズは、保護を求めて国外に逃れた人を難民と呼んでいます(監修者註。) 第1巻は10歳の男の子アリが、自国のアフガニスタンを祖母と後にした実話。離れ離れになっている両親と1日でも早く再会できますように。2022/03/04