内容説明
本書は、独特な方法で日本美術作品の“ディテール”に焦点をあて、江戸期を代表する作家たちの作風や技法を明らかにしている。ページに開けられた「のぞき窓」を通して、日本美術の名作20点をさまざまなアングルや視点から読み解くことができる。すべての作品がカラーで美しく再現され、その作品の成立背景がわかる年表がそえられている。絶妙な位置に開けられた「のぞき窓」は、ページのどちら側からものぞくことができ、それぞれの絵にスポットライトをあてたような効果を出している。拡大した“ディテール”に詳しい解説を加え、その作家に特徴的な技法や色調、色づかいを明らかにしている。江戸時代の魅力を伝える20点の作品を、かつてない方法で読み解き、芸術作品に新たな息吹を与える、個性豊かな「アートブック」。
目次
南蛮船駿河湾来航図屏風(作者未詳)
色絵藤花文茶壷(野々村仁清)
八橋図屏舞(尾形光琳)
誘絵染付秋草図手桶水指(尾形乾山)
風俗図巻(宮川長春)
能装束:南天に草子散し雀文様の縫箔(制作者不明)
動植綵絵:群鶏図(伊藤若冲)
風俗四季哥仙:二月(鈴木春信)
龍虎図屏風(円山応挙)
歌枕(第十図)(喜多川歌麿)
海浜奇勝図(長沢廬雪)
五美人図(葛飾北斎)
白絖地海樹下草模様描絵小袖(酒井抱一)
吉原要事廓の四季志 正月大こくまい:玉屋内濃紫(渓斎英泉)
冨嶽三十六景:神奈川沖浪裏(葛飾北斎):東海道五十三次:原(浅之富士)(歌川広重)
風神雷神図襖(鈴木其一)
相馬の古内裏(滝夜叉姫)(歌川国吉)
名所江戸百景:大はしあたけの夕立(歌川広重)
風流還大合戦の図(河鍋暁斎)
著者等紹介
佐藤智子[サトウトモコ]
福島県生まれ、英国在住。レディング大学卒業(美術史・建築史専攻)、マンチェスター大学大学院課程、美術館・博物館学修了。1985年ロンドン初の日本芸術祭コーディネーターを務める。1988年よりロンドン、バービカン・アート・ギャラリー勤務、同館キュレーターを経て、2007年より、ミュシャ財団(プラハ)キュレーターを務める。現在は、アルフォンス・ミュシャの仕事と時代を多方面から検討する研究、企画に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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