内容説明
次代の歴史学構築のために網野史学の歴史的位置づけを試みた白熱のシンポジウムの全容。グランド・セオリーに背を向けた現代になおも歴史学の正統な居場所を求める。再生への一試論。
目次
「網野史学」と中世国家の理解
網野史学の問題系列
元寇・倭寇・日本国王ノート―網野史学における一四世紀理解をめぐって
網野史学と古代認識―関係・所有・国家
政治と救済―国土観変遷の歴史的意味について
網野史学の越え方について―現代末法思想考
全体討論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
3
溝口雄三が指摘した「オオヤケ構造」(『公私』)に留意しつつ、日本史学における公共性概念の検討を行う作業。(注)一揆論と共に無縁論も検討しなければならない。そこで、網野善彦を読み返しつつ、「どう読むか」についてそのヒントを得るため本書を開く。網野善彦『日本中世都市の世界』の「解説」で桜井英治の言うように、網野の無縁論は「実体概念」ではなく「関係概念」として考えなければならないらしい。一揆論や公共という議論と無縁論の関係は何かという点はどう考えるべきか。網野の全体像も気にはなる。『現代思想』の特集期待。胸熱。2014/12/24
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