出版社内容情報
◎満洲、朝鮮、そして台湾―。さまざまな民族が交錯する「大日本帝国」の勢力圏。その白日夢の内実に迫る、幻の作品群が今ここに甦る。
★011. 青瓦の家 李 無影 1943年・新太陽社
愛する男のもとを去ったヒロイン美燕が身を寄せる「青瓦の家」は、旧世代の伝統的価値観と新世代の革新的価値観とが対立する旧家だった。日本語による朝鮮初の日刊新聞長篇(解説・布袋敏博)
※著者紹介 李 無影 イ ムヨン 1908~1960 朝鮮忠清北道陰城生れ。17歳で渡日し、加藤武雄に師事。朝鮮に帰国後の1929年から創作活動。教員、雑誌編集者、新聞記者などを勤めながら、長篇『夜明け頃』『明日への舗道』などを発表。1942年9月より釜山日報連載の『青瓦の家』から、日本語でも小説を執筆する。1943年に第四回朝鮮芸術賞を受賞。日本語による作品集として、『情熱の書』がある。1945年以降も農民小説などを書き続けた。
本書の特色
●日本「内地」中心の文学史から抜け落ちた植民地の文学! 待望の復刻選集。
●さまざまな民族の立場から、植民地の諸相が多面的に浮かび上がる。
●歴史的価値が高く、研究者から復刻を強く望まれていた作品を厳選。
●日本人以外の作家によって書かれた日本語文学作品も多数収録。
●各種図書館などにもほとんど所蔵されていない、閲覧困難な幻の稀覯本。
●各巻の巻末に解説(作家紹介、作品の背景、歴史的価値など)を付す。
●今日の近代文学研究の一大潮流である戦時下の文学研究にも不可欠の文献集。
●文学のみならず、近代日本史・アジア史の研究にも大いに有益な資料。
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- 和書
- 騙し絵の牙 角川文庫