出版社内容情報
銀行の基本的機能である資産変換と決済等の解説を行った上で「情報の経済学」、特に銀行の情報生、メインバンク関係に力点を置くビジネスにおいて必要なものは何か。「独自の優れた知識」に加え、「整備された金融システム」といえるだろう。そのなかで銀行が担う役割とは何か。資産変換と決済、金融仲介、信用創造といった基本的な機能の解説を行い、その上で「情報の経済学」に紙幅を割く。特に各取引主体が保有する情報に差があるとき、市場取引は困難に見舞われる。そのため「銀行の情報生産」「メインバンク関係」などが重要となるが、その点に力点を置く。また金融市場と労働市場とは密接な関連をもつため、労働市場にも解説を加える
第1章 銀行の資産変換と決済機能
第2章 情報の経済学??逆選択(レモン問題)
補論? 異時点間取引と非対称情報問題
補論? 銀行による情報生産の理由
補論? 労働市場のシグナリング
第3章 情報の経済学??モラルハザード問題
補論? モラルハザードの定義(再論)
補論? 賃金スキーム(誘因両立性条件)
補論? ホールドアップ問題と無形資産の有無
補論? 「均衡信用割当」理論
第4章 日本の金融システムと銀行の役割
補論? メインバンク関係とホールドアップ問題
補論? 高度成長期の長信銀の役割
第5章 銀行取り付けと金融パニック
補論 貨幣発行自由化論と銀行取り付け
第6章 信用秩序維持政策
補論? 銀行の情報公開と参入規制
補論? 銀行取り付けの進化論ゲーム分析
結びに代えて?実用と信頼の美しい社会に向けて
加藤 正昭[カトウ マサアキ]
大東文化大学経済学部教授。銀行理論・金融システム論専攻。主著に『経済学によく出てくる数学』など
目次
第1章 銀行の資産変換と決済機能(金融とは何か?;金融の分類 ほか)
第2章 情報の経済学1―逆選択(レモン問題)(情報の不完全性;自然淘汰と逆選択 ほか)
第3章 情報の経済学2―モラルハザード問題(モラルハザード問題;モラルハザードの定義 ほか)
第4章 日本の金融システムと銀行の役割(メインバンク関係;戦後日本の金融システム ほか)
第5章 銀行取り付けと金融パニック(銀行取り付け;「サンスポット型」銀行取り付け ほか)
第6章 信用秩序維持政策(金融システム安定化対策;信用秩序維持政策 ほか)
著者等紹介
加藤正昭[カトウマサアキ]
大東文化大学経済学部教授。専攻は銀行理論、金融システム論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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