感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
1949年に自殺したトーマス・マンの息子クラウスについて。「クラウス・マンという作家が『文明の試練』という書を残して自殺をとげた。…それまで彼は、ヒューマニズムを信じ、主張していた。すなわち人間の善意もしくは善性はどんな人間にも内在しているものであることを信じ…活動していたのである。しかし、ひとたび戦争に突入すると、人間の人間性というものは全く無力であり、むしろ悪魔化し、残酷な非人間性に頽落して行く現実を見せつけられた。彼は自殺することで、現代人に大いなる反省を促し、警鐘を乱打したのかも知れない。」2025/06/18