内容説明
本書はポール・リクールの1960年代末から70年代にかけて発表された論文8篇を集めて編み、訳出したものである。リクールは哲学と神学を峻別し、あくまでも哲学の立場から聖書を解釈しようとする。だがリクールの解釈学にとって、聖書解釈学の領域は大きな比率を占めており、それはけっして単に一般解釈学の聖書への適用といったものではなく、両者は呼応しあっており、そのことは本書の論文「聖書解釈学」と同じ年に発表された『生きた隠喩』との関連を見れば明らかである。
目次
言語についての反省の言葉の神学への寄与
宗教批判
信仰の言語
イエスの譬えに聞く
証言の解釈学
啓示の観念の解釈学
神を名指すこと〔ほか〕
感想・レビュー
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いとう・しんご singoito2
9
雨降りで図書館に行けないので本棚から引っ張り出して再読。以前よりは理解できた気がします。啓示宗教の要求する「知性の犠牲」と哲学が追究する「透明な真理」と「主体の自律」の間の溝を哲学の側から埋めようとするP158リクールの優しさと真摯さに感動です。2023/05/08
いとう・しんご singoito2
0
多くのクリスチャンに読んで欲しい1冊。リクールとしては、幾分、素人向けに書いているけれど、でもそれでも 多くのクリスチャン(教職も含め)にとっては難解だろうと思うし、自分も含めてもっともっと勉強しなければいけない、と気づかされる。でも、多くのクリスチャンは難しいから、と投げ出して、仲良しクラブ的な教会生活に惰性化してしまうんだろうなぁ。御子に対して申し訳ない。2020/12/19