内容説明
本書は、大気汚染の現状と最近の大気質の変化、地球環境に至る大気環境の概説。大気汚染の植物被害の歴史的変遷を振り返るとともに、指標植物を用いた大気環境モニタリング調査から、今なお、大気汚染(特に、光化学オキシダント)が過去のものではないことの例示。大気汚染物質として主要な二酸化イオウ、窒素酸化物、光化学オキシダント(オゾンとPAN)、酸性雨がどのような仕組みで植物に障害を与えるのか、また、植物はそれらの大気汚染物質に対し、どのように自らを防御しているのかを生理生化学的な面から眺めての概説といった内容を含む一冊である。
目次
大気汚染による植物被害の変遷
大気汚染物質と大気質の変化
二酸化イオウによる植物被害
光化学オキシダントによる植物被害
窒素酸化物による植物被害
大気環境の悪化を警告する指標植物
酸性雨による農作物被害
森林衰退
地球温暖化の植物への影響予測
紫外線(UV‐B)増加に対する植物の反応
大気-植生-土壌系におけるCO2交換
水田・湿地からのメタン発生
植物の持つ大気浄化機能
著者等紹介
野内勇[ノウチイサム]
農業環境技術研究所地球環境部気象研究グループ長
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