内容説明
日本語学の泰斗・山田孝雄は、契沖・宣長以降の「最後の国学者」と称される。富山県出身の、一青年中学校教員が日本語・日本文法と格闘し、英独二つの外国語を駆使し著した『日本文法論』は、日本語研究の画期的な書であり、その業績は不滅にして絶大な称賛に値する。
目次
第1章 国語学者としての経歴(学ぶ十代;故郷出立 ほか)
第2章 孝雄と谷崎源氏(千年以上も輝き続ける『源氏物語』;現代語訳の主なもの ほか)
第3章 孝雄と連歌(連歌を受け継ぐ;東北帝国大学に赴任してから ほか)
第4章 孝雄と文法
著者等紹介
神島達郎[カミシマタツロウ]
昭和10年(1935)富山県生まれ。昭和29年(1954)3月富山県立富山高等学校卒業。昭和34年(1959)3月東京教育大学文学部卒業。同年4月から昭和57年(1982)3月まで県立高等学校教諭。同年4月から昭和62年(1987)3月まで県教育機関勤務。同年4月から平成6年(1994)3月まで県立高等学校教頭・校長。同年4月から平成8年(1996)3月まで富山県総合教育センター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
15
山田孝雄は明治初期に富山県に生まれ、最終学歴が富山尋常中学校中退なのに、東北帝国大学教授、神宮皇學館大學学長を務めた学者で、国語学・国文学・国史学三分野を研究した「最後の国学者」である。特に国語文法研究は現在でも基礎となっており「山田文法」と呼ばれるそれは現在でも最初に読まなければいけない基礎研究になっているという。なんせ博士論文が本として出版されたが、全1500頁もあるのだ。本書は富山出身の元高校教員が書いた本で、特に谷崎潤一郎の源氏物語翻訳を校閲したこと、連歌について、山田文法について短くまとめてある2019/11/25