内容説明
本書は古代ギリシアに関する基本的史実を、新しい観点から叙述したものである。叙述は、あらゆる文献を近代考証学の立場から慎重かつ徹底的に再考証して進められている。現在入手しうる限りの、あるいは遺されている限りの文献、資料、遺跡、遺品等の再点検を通じて、その個々の特性を究明し、総合的な全体像を浮かび上がらせようという試みがなされている。著者は古代ギリシアの発生から、ヘレニズム文明を経てローマ帝国へと移行する全過程を追いつつ、哲学や歴史、宗教や言語などの分野からさらにギリシア人の日常生活に至るまで、考証と考察の目をゆきとどかせ、ヨーロッパ文明の源泉となった古代ギリシア文明の全体像を浮き彫りさせようとしている。
目次
序章 ギリシア人の生活圏
第1章 エーゲ文明時代(前3500~1000年)
第2章 ギリシアの神々
第3章 ギリシア史の中世(前1000~500年)
第4章 自由をめぐる闘争(前500~448年)
第5章 ペリクレス統治下の黄金時代(前447~431年)
第6章 ペロポネソス戦争の時代(前431~404年)
第7章 ギリシアの自由の最後の数10年(前403~338年)
第8章 アレクサンドロス大王の時代(前336~323年)
第9章 ヘレニズム時代(前323~146年)