内容説明
その日の朝、少女タワンと弟のクウェーは、期待に胸をはずませて学校へむかった。都会の学校で勉強がつづけられる奨学金の発表があるのだ。両親は男の子のクウェーに期待をかけていたが、1番になったのはタワンだった。女の子だからと両親からもまわりの人からも反対されたタワンは…。タイの農村を舞台にした少女の自立の物語。
感想・レビュー
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mikeneko
6
タイの貧しい農村に暮らす姉のタワンと弟のクウェー。その日は地代のお米を地主に払う日であり、都会の学校に進学できる奨学生が決まる試験の結果が発表される日だった。女の子に学問はいらないと、父親のみならず世間の大人たちの多数が考える中で、一番をとったのは姉のクウェーだった。日頃から都会の学校に行って学び、将来村や国のために不正や不公平を正す人になりたいと話し合っていた二人は微妙な状況に悩み、中の良かった姉弟は互いを信じられなくなってしまう…。1975年の作品でありながら、少女の、親たちの気持ちに共感できる作品。2017/08/06