内容説明
世俗を捨てて行乞流転の生涯を終えた漂泊の俳人種田山頭火。生前唯一の自選集「草木塔」と、拾遺作品及び初期の句を収めた決定版。
目次
草木塔
自画像(落穂集;層雲集)
感想・レビュー
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あなた
6
「まつすぐな道でさみしい」。山頭火にとって歩くことこそが文学だった。歩いて歩いてみたものをそのままに文学にした。「どうしようもないわたしが歩いてゐる」。歩くことは、文学者にとってプリズムであり、キメラだ。「鳴いてきりぎりす生きてはゐる」。書斎にこもっていびつな自我を発酵させるに対して、山頭火というキメラは歩くことによってアマルガムなかがやきをはなつ。「あなたを待つてゐる火のよう燃える」2009/08/12
じめる
0
急速にめくるめく一句。と思えば、急にとぼける。凄みと愛嬌がある。「まっすぐな道でさみしい」2013/11/30