感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
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金子光晴という人は読めば読むほど、知れば知るほどによくわからなくなるじいさんだが、大文字で語られるなにかに正面からぶち当たるというよりは、巧みな膝かっくんを食わせてきた人という気がする。Aに反抗したとおもえば、次にはBを裏切り、Cに尻を向けて書いている。それが重なりに重なると善光寺の賓頭盧尊者か瓢箪鯰みたいなつるつるの様相を呈してくるから得体が知れない。なかには妻や息子へのストレートなおもいを綴ったものもあるが、個人的には「おっとせい」「大腐爛頌」など、初期の頃の詩に満ち満ちた叛逆のデカダンに魅せられた。2016/11/30




