内容説明
彼女たちはなぜ仏教彫刻に現れたのか?高級娼婦たちが織りなす艶やかな東西文化交流。ガンダーラの仏教美術はインド美術とギリシア・ローマの美術の影響を受けて成立した。この両地域の美術の女性像を考察することで、ガンダーラの艶やかな貴婦人像は高級娼婦がそのモデルとなっていたことが判明した。インド仏教美術に斬新な視点から斬り込む新進気鋭の異色研究者が、ガンダーラ仏教美術に秘められた新たな姿を浮き彫りにする開眼の一冊。
目次
第1章 ガンダーラの仏教彫刻の女性像
第2章 古代インド美術の女性像と高級娼婦
第3章 インド最古の高級娼婦像の出現とその変遷
第4章 古代インドの高級娼婦ガニカー
第5章 ギリシアとローマの美術の女性像と高級娼婦
第6章 ガンダーラの仏教彫刻の高級娼婦像(1)―高級娼婦アームラパーリー像
第7章 ガンダーラの仏教彫刻の高級娼婦像(2)
第8章 ガンダーラの仏教彫刻に見られる娼婦の館と娼婦たち
特別寄稿 一角仙人と高級娼婦(田辺勝美)
著者等紹介
田辺理[タナベタダシ]
1979年東京都に生まれる。2002年中央大学文学部東洋史専攻卒業。2009年大阪大学文学部博士前期課程文学研究科文化形態論専攻東洋史専修修了。2015年早稲田大学文学研究科博士後期課程美術史学コース修了、文学博士学位取得。日本学術振興会PD特別研究員、ミュンヘン大学インド学・チベット学研究所客員研究員を経て、2021年1月1日から京都大学白眉センター/文学研究科特定准教授。専門は、ガンダーラ仏教美術史、比較美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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