内容説明
本堂創建七八〇年記念事業として出版される本書は、大報恩寺の沿革を各種の資料を使って論述するとともに、個々の文化財については最新の研究成果を反映するものである。
目次
図版
大報恩寺の沿革
大報恩寺の文化財
経王堂伝来の文化財
年中行事
資料編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
8
千本釈迦堂(大報恩寺)の総合図録的な内容で、彫刻・建築の解説が詳しい。いわゆる洛中現存最古の建築として知られる本堂については、内陣・礼堂・後戸・局を備えた典型的な中世仏堂の空間構成を指摘しつつ、内陣の一間四面の求心的平面の特徴に関して、通説の釈迦念仏の常行堂的性格をとらず、法華三昧の新解釈を提示する。また本堂本尊の現存しない脇侍が、絵画形式(扉絵または壁画)だった可能性も面白い。2021/08/27
荒野の狼
5
京都市上京区の大報恩寺(千本釈迦堂)は北野天満宮などに近く、国宝の本堂など見どころも多い寺院であるが、2008年出版の本書は大報恩寺に関するものとしては、ほとんど唯一のものと言ってよく貴重。主だった文化財のすべてがカラー写真で紹介され、さらに二色刷りのページで説明が白黒写真とともに掲載されるが、内容はかなり専門的。2022/03/03