内容説明
細菌感染症の専門家として80歳半ばを越え今なお、後進育成にあたる中村明子氏が、旧日本軍731部隊、オウム真理教による細菌兵器製造などバイオテロの実態究明に関わった実体験を語る。未だ消えることのないバイオテロの恐怖と“感染症”について考える。
目次
第1章 オウム真理教教団内で真面目に考えられていた「細菌戦」(サティアンの捜査に協力;人間“カナリヤ”なんですね!? ほか)
第2章 中国でのペスト流行と日本軍による細菌戦(第二次世界戦争における細菌戦に関する裁判;原告側証人として ほか)
第3章 バイオテロはなぜ無くならないか(細菌兵器が「貧者の核兵器」のわけ;細菌学・感染症の専門家育成が喫緊の課題 ほか)
第4章 世界中を震撼させたスペインかぜ(100年前から「手洗い・うがい・マスク」)
第5章 感染災害―COVID‐19の戦略(細菌、ウイルスと感染症;RNAウイルスの厄介な特徴 ほか)
著者等紹介
中村明子[ナカムラアキコ]
東京医科大学兼任教授(微生物学)。特定非営利活動法人栄養衛生相談室理事長。一般社団法人感染対策アドバイザー協会代表理事。共立薬科大学を卒業後、国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)に就職。同研究所細菌部室長、東京大学医学部客員研究員、共立薬科大学理事・客員教授・特任教授(感染症)、慶應義塾大学薬学部客員教授を経て現職。腸内細菌の病原性および腸管感染症の疫学研究に従事するなか、学校給食の現場で起きた「O157集団食中毒」に遭遇。「食中毒の研究をしていながら子供の死を防げなかった」と悔やみ、以降20年以上、学校給食における衛生管理の指導に尽力。また、新型コロナウイルス禍を背景に、イベントや各種試験会場等の衛生管理指導も行っている。さらに2020年に発足した感染対策アドバイザー協会では、『感染対策アドバイザー』の育成、感染防止対策に関する情報提供などを進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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