内容説明
過剰診断と過少診断に揺れる診断バイアス、臨床現場のきわめて限られた患者層を対象とした有効性のRCTエビデンス、治療コンセンサスの確立がない現況で治療環境の社会的変化もなく短期間に繰り返し改訂される学術団体のガイドラインなど、双極性気分障害の治療戦略は今、大きく揺れている。本書は、エビデンスの対象となりにくい多彩な患者群や標準的な治療ガイドラインではうまく治療できない患者層の治療戦略を考える際に有用となる、各治療薬の作用イメージと世界で公表されているガイドラインのエッセンスを視覚的に要約したガイドブックである。
目次
第1章 双極性気分障害の病型と診断(双極性気分障害の病型;臨床現場での躁病症状の捉え方;双極性傷害の早期診断の重要性)
第2章 代表的な双極性障害の治療薬(気分安定薬;非定型抗精神病薬)
第3章 双極性気分障害の治療ガイドラインのエッセンス(うつ病エピソード;急性期躁病・軽躁病エピソード、混合性エピソード;急速交替型;維持療法期)
第4章 双極性気分障害の治療過程で使用する評価尺度(ヤング躁病評価尺度(YMRS)
モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)
ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)
薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS))
著者等紹介
稲田俊也[イナダトシヤ]
公益財団法人神経研究所副所長・理事、附属晴和病院副院長。大阪府生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院精神神経科、社会福祉法人桜ヶ丘保養院(現桜ヶ丘記念病院)、米国ミシシッピ州立大学メディカルセンター、国立精神・神経センター精神保健研究所室長、名古屋大学大学院医学系研究科精神生物学分野助教授、帝京大学医学部附属ちば総合医療センターメンタルヘルス科教授を経て2008年1月より財団法人神経研究所附属晴和病院副院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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