出版社内容情報
本書は、ランダム化比較試験の基本を理解し、ヘルスケアに関わる意思決定に利用しようと考える方のために執筆されました。駆け出し研究者だったハダッド氏が経験した苦い思いを若者に繰り返させたくないというハダッド氏に強い思いが本書に結実しました。ランダム化比較試験をめぐる基本的な疑問に答えてくれる情報源が散見し、すべての疑問を塗りつぶすには、膨大な時間がかかったという時代は、本書に刊行によって終わらせたいという著者の思いを具現化させた内容です。素朴な疑問から標準的なレベルの疑問までを網羅しこれらの疑問を系統的に配置しているので、読みもの感覚で気楽に読みながらランダム化比較試験の概観を把握できるのが本書の特徴です。臨床試験をデザインし解析するためだけでなく、他者によって実施された解析結果を批判的に検証するためにも有用な内容です。EBMにおける根拠の質を検証するためにも必須の内容といえます。
目次
1 ランダム化比較試験:その基礎
2 ランダム化比較試験の形式
3 RCTにおけるバイアス:ランダム化の効果を無にするようなバイアス
4 RCTの品質の評価:なぜ、なにを、どのように、そしてだれによって?
5 個々の試験の報告と解釈:その本質
6 個々の試験から試験のグループへ:レビュー、メタ・アナリシスおよびガイドライン
7 試験から決定へ:エビデンスに基づくヘルス・ケアの基礎
8 私の希望のリスト:隅々まで考えて