出版社内容情報
医薬分業の推進により、病院薬剤師業務の多くを占めていた外来調剤業務は、入院患者中心の業務へと重心が移っています。入院患者における薬物療法の特徴のひとつとして注射剤業務が外来調剤との大きな違いであり、注射剤の使用にあたっては内服よりもその効果が速く、より強い作用をもつことから、内服薬以上に処方設計、調整、薬剤管理指導等に専門的職能を発揮すべき業務です。本書は病院薬剤師業務の多くを占める注射薬調剤業務において、マニュアルづくりの参考となる内容を目指した書籍です。
内容説明
昭和63年4月(1988年)に入院調剤技術基本料いわゆる100点業務が診療報酬で算定されるに至り、その算定条件の一つとして注射薬については、その都度処方せんにより管理するようになった。薬剤師が行う処方せんに基づく調剤は、医薬品に関する知識を駆使しての処方せんの点検、薬剤の調製、鑑査、品質管理、さらに適正使用のための情報を提供することにより、医薬品の有効性と安全性を確保し治療に貢献できるものである。このような状況下、注射薬関連の業務が薬剤部に移行していくのは時代の趨勢であろう。多くの施設において薬剤部の注射薬関連業務(注射薬調剤)への関わりを検討している際、本書は参考になるものである。
目次
第1章 総論(注射薬の特徴;注射薬の投与方法;注射薬調剤とは ほか)
第2章 注射薬調剤の実際(注射薬調剤業務の概要;処方鑑査;計数調剤―注射薬の取り揃え、患者個別セット ほか)
第3章 注射薬調剤に必要な情報(注射薬調剤に必要な作業環境;注射薬調剤時の微生物汚染・異物汚染;輸液と配合変化 ほか)
著者等紹介
矢後和夫[ヤゴカズオ]
北里大学東病院薬剤部長
黒山政一[クロヤママサイチ]
北里大学東病院薬剤部
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