出版社内容情報
月刊薬事に「現代薬処方匙加減考」として1998~1999年にかけての連載記事を加筆、訂正し、さらに新しい項目を加え、全面的に書き改めたもの。「薬物に対する反応性の個体差」を前半でクスリの観点から、後半でヒトの立場から解説。爆発的に展開する最新のゲノム情報、トピックスを取り込み、医薬品に対する「個人の反応を予測・考察する」ヒントや科学的な「薬処方の匙加減」が初心者にもわかりやすく盛り込まれている。【編集担当者コメント】クスリの効き方が万人に等しくないことが、科学的根拠に基づいて急速に解明されています。今後その主役は、薬物標的分子の遺伝子情報といえます。本書は、薬物応答性の個人差の要因を、「薬物代謝酵素の相互作用」と「最新の遺伝子多型に関する情報」の両面からわかり易く解説しています。医師、薬剤師、製薬企業の研究者・MR、ライフサイエンス研究者はもとより、医薬品卸企業のMS等クスリに関連する人々にも配慮して書かれています。
内容説明
本書は、薬物代謝酵素について、自らの知識の整理を目的として、月刊薬事に「現代薬処方匙加減考」として連載(1998~1999年)したものに、加筆、修正したものである。
目次
1章 薬、人を殺さず。薬師、人を殺す。
2章 「困ったクスリたち」とのつきあい方―「彼を知り己を知れば百戦殆からず」(孫子)
3章 生まれつき「クスリに弱いヒト」たち―個別化「匙加減」医療のすすめ
4章 薬物間相互作用はいつも副作用を起こすか?―薬の飲合せ「クスリが効き難くなる」
5章 危険な薬物間相互作用とは?―薬の飲合せ「薬が効き過ぎる」
6章 クスリによる肝障害と匙加減―「過失をなすは恥ずべし。されど、過失を改むるは恥ずべからず(ルソー)」
7章 薬処方の匙加減 その科学的研究の歩み―Do you know where you’re going to?
8章 日本人ではちょっと気になる「CYP2D6」
9章 日本人ではかなり気になる「CYP2C」
10章 ファーマコゲノミクスと匙加減―What will define medicine in the 21st century?
著者等紹介
東純一[アズマジュンイチ]
大阪大学教授。大学院薬学研究科臨床薬効解析学(兼)医学系研究科分子病態内科学
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