出版社内容情報
【重要文化財】日本最古の分類体漢和辞書。唯一の平安期古写本を原寸大高精細カラー版で影印醍醐天皇皇女勤子内親王の命により、源順(九一一―九八三)が撰述、承平年間(九三一―三八)に成立。「和名抄」とも称され、平安期から江戸期までの長きに渡って後の多くの国内文献に引用・利用される。成立当時の国内文献である漢語抄類(『弁色立成』『楊氏漢語抄』など)をベースとしつつ、中国側の文献本文に広く徴証を求めたもので、類書形式の意義分類を施し、多くの和訓を掲載した、漢語理解のための日用百科事典的な性格をもつ。二十巻本系と十巻本系とで分類や項目に違いがあり、特に前者には国内地名など記した独自の部門が多くある。二系統の先後関係には古くより議論がある。 所収本は二十巻本系で、巻六郷里部より巻十居処部までの零本であるが、平安時代末期の書写になる伝本中最古のもので、朱声点(アクセント記号)附き和訓も存し、カラー影印が望まれていた。高山寺旧蔵。
和名類聚抄 高山寺本
巻第六
巻第七
巻第八
巻第九
巻第十
『和名類聚抄 高山寺本』解題(山田健三)
天理大学附属天理図書館[テンリダイガクフゾクテンリトショカン]
山田 健三[ヤマダ ケンゾウ]
信州大学教授