出版社内容情報
奈良興福寺大乗院別当第18世門主経覚(1395?1473)の日記。奈良興福寺大乗院別当第18世門主経覚(1395?1473)の日記。『私要鈔』の名は、原本の表紙に題せられたところである。原本は、独立行政法人国立公文書館に所蔵され、欠年もあるが、応永22年(1415)から文明4年(1472)までが現存。
その内容は、興福寺内の寺務・寺領支配から国人の動向、大和の情勢、京都の動静にまでおよび、朝幕関係から幕府内部の動向も書かれている。嘉吉の乱から応仁・文明の乱勃発の時期までの政治・社会・経済史研究の一級史料である。
経覚は、興福寺の実力者として、その職掌は寺内の法務から寺領の経営にまで多岐におよぶ。大和国内の興福寺の力関係から、同国内の支配、豪族や国人層との対応対立なども克明に記録する。
この時期の史料としては、『大乗院寺社雑事記』とならぶ基本史料といえる。経覚は、本拠地の奈良から、常に京都の情勢を見据え、絶えず関心をはらっている。これには、彼の摂関家出身という貴族の出自が大きく影響している。
別記 解題
小泉 宜右[コイズミ ヨシアキ]
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内容説明
興福寺別當・大乘院第十八世門跡經覺(應永二(一三九五)年生、文明五(一四七三)年寂)の日記。
目次
永享年間雜記
興福寺僧綱補任
細呂宜郷下方引付
大僧正一座宣事
大僧正一座宣事附記
能登岩井川用水記
唐船誂物日記
三十六人歌人
兩堂八番帳
春日社社家名字〔ほか〕
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