出版社内容情報
日本文化にとって、古来より独特の表現技法として用いられてきた「見立」「やつし」について多くの図版を採録し解説を加えた。本書は、日本文化にとって、古来より独特の表現技法となっている「見立」「やつし」について考察したものである。文学・美術・芸能といったジャンルを超えて、「見立」「やつし」を総合的に研究し、日本文化の基底にあるものを摘出することを目的とした。また、一般の方々に楽しんでいただくことをも視野に入れ、多くの図版を採録し、解説を加えている。
人間文化研究機構国文学研究資料館では、日本の文学についていくつかのテーマをたて、研究プロジェクトを推進している。これは、国文学研究資料館以外からも研究者が参加する共同研究である。本書は、文学形成研究系で組織する「近世文芸の表現技法〈見立て・やつし〉の総合研究」プロジェクトの研究成果の一環である。
序文
はじめに
第一章 図版資料 解読
1 文字の「やつし」
2 庭園の「やつし」
3 「見立」とその周辺
4 京伝の 「見立」
5 見立番付
6 「やつし」の多義性
7 浮世絵の「やつし」
8 浮世絵の「見立」
(1)『擬五行尽之内』
(2)『見立三十六歌撰之内』
(3)『見立七小町ノ内』
(4)『当世好男子伝』
(5)『近世水滸伝』
(6)『役者見立東海道五十三駅』
(7)その他の見立絵
第二章 「見立」と「やつし」への切り口
「見立」と「やつし」の定義
やつしと俳諧
やつしと歌舞伎
「見立」と歌舞伎
やつしと庭園文化
なぞなぞと見立
見立と戯作
「見立」と「やつし」〈試論〉
あとがき
初出一覧
図版目録
索 引
Summary
人間文化研究機構国文学研究資料館[ニンゲンブンカキコウコクブンガクケンキュウシリョウカン]
著・文・その他