出版社内容情報
誰もがなりたくない「不治の病」と言われる認知症。精神科医として長年認知症と向き合い、医療の限界を悟った上野秀樹医師が、認知症の訪問診療という地道な活動から導き出した「認知症の人が暮らしやすい社会」のあり方について提案する。
【著者紹介】
精神科医
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mukimi
28
老化現象ともいえる認知症における医療の限界は理解できる。しかしながら医療にはもっとできることがある、とこの本は伝えてくれていると私は思う。知っているか知らないかだけで大きく変わるものが認知症ケアにはあります。周りで認知症介護に苦しんでいる方がいれば是非この本を勧めてください。2016/10/29
VSきょうちゃん
3
認知症とは「認知機能障害」と「行動心理症状」という二種類の症状がある。こういうこともなんとなく感覚ではわかっているが、実際は混同している。治療可能な認知機能障害を見逃さず、治療をする。そして認知症の人に対しても「人」として対応する。2018/09/15
moe
3
認知症について医学的な知識と豊富な診療の経験にもとづいて書かれています。どうすれば認知症の人も、より幸せに暮らしていけるかを広い視野と温かい心で考え提言されています。2017/12/23
らんまる
2
医学モデルから社会モデルにと言われて久しい。しかし、コスパを考えると片道30分以上かかる場所に往診に来てくれる医者がどれだけいるのか。限界まで地域で支えている現状。もう少し踏み込んでほしかったか。 当人が決める自己決定を尊重すること、支援する側、される側の境目がなくなることが、最高の支援だと言うことはうなずける。2021/06/06
okatake
2
上野先生の著作。3章ユマニチュード、4章認知症の人を社会全体で支えるためにが主題です。 超高齢社会の今認知症は当たり前、誰でもなります。私も長生きすることが出来ればなれるでしょう。 中核症状はある面致し方ないことですが、いわゆるBPSDは認知症の方と環境との関係でコントロールすることが出来ます。老化の一部としての認知症は、赤ん坊の成長と同じと考えて良いのではないでしょうか。 長生きをした人としての過程の一つなのです。そう考えることができれば社会全体として考えていくことが出来ると思います。 2016/11/09