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内容説明
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。アップルパイが焼けるキッチンで殺しあった姉妹、床下の動かない少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト!ようこそ、恩田陸の幽霊屋敷へ。
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年、宮城県生まれ。91年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治新人賞および本屋大賞、06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
195
第一の語り手は小さな丘の上の古い家に住んでいる。その女性が、背の高い男から、昔ここで姉妹がジャガイモの皮を剝いている最中に殺し合ったという話や、料理女が子供を攫ってきては主人に食べさせていたという話を聞きながら、退屈し、うんざりする場面から始まる。この二人の対話が余りにも謎めいていて、一気に作品世界に引きこまれた。続く各話でも、生者か死者かわからない語り手たちによって、第一の語り手の「疎ましい生者に比べて何も起こさない死者こそ好ましい」という感情が引き継がれていく。背筋が凍りつくけれど美しい作品。20102020/07/26
ダイ@2019.11.2~一時休止
139
連作短編集。幽霊屋敷のお話し。ホラーなんでしょうけどそんなに怖さはない感じ。2017/01/02
onions55
101
不気味な話でした。丘に立つ古い屋敷を取り巻く幽霊たち。登場する人物、すべてに現実感がなく、まともでなく、どこが真実か分からない怖さがあります。ただ、大工さんが幽霊達と力を合わせて、悪質な不動産屋を懲らしめる場面は、なぜかスッキリしました。そして、幽霊達に少し愛着を感じました笑。会話から、どんどん話が広がっていくのは、さすが恩田陸さんです。最後の締めは少し難しかった!2015/07/23
いりあ
89
恩田陸のホラー連作短篇集。ある村の小高い丘に建つ一軒の家をめぐる物語です。この家が呪われているのか、呪われた人々が住むのか分かりませんが、この家に住んだ歴代の住人の不可思議な体験が綴られています。一つ一つのお話は独立しているのですが、本作を通して読むと短編がパズルのピースのように組み合わさって大きな一つのお話を形作っています。それぞれの話が一つにつながった時の納得感は爽快です。また、不気味な話や血なまぐさい話がありますが、全体的にさらっとしているのでホラーが苦手な人でも読めると思います。2013/06/13
ゆのん
86
あまり読んではいないが幽霊物は好き。久しぶりの幽霊物だとワクワクしながら読み始めた。背筋がゾーとするもの、少しグロいもの、犯罪心理的なもの、物哀しいもの、オカルト映画的なものと様々なパターンの幽霊物を堪能できてお徳感がある。『俺と彼らと彼女たち』は大工の親父の肝の座り方に笑い、その延長で『わたしの家へようこそ』を読むとほぉ・・と釘付けになった。角F2018/14/982018/06/24