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内容説明
実話なのか創作なのか!?怪談専門誌『幽』を母艦に、文芸ジャンルとしての怪談の可能性を追求する『怪談実話系』シリーズ第6集。「闇の世界」への嗅覚と圧倒的な筆力。「実話」と「創作」の皮膜をゆく「実話系」だからこそ描ける、迫真の怪異の数々。京極夏彦+平山夢明の特別対談、完全版“FKB”座談会を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
148
「怪談実話系」6冊目の目玉は直木賞作家の道尾秀介さんの参戦ですが、私が文句なしで気に入ったのは黒木あるじさんの古風な昔噺の怪談集でした。『椎名葉草』幕末の無名の画家が遺した旅日記の怪談噺を現代文に直した書。「足餅のこと」ある村に毎月末に童の形の餅を四辻に備えるという風習がある。翌日には消えていてこれを怠ると足を攫われると伝えられ現にこの村には足の無い子供が多いと言う。「涙石のこと」ある大名の屋敷庭にある巨石が夜にすすり泣き翌朝周囲に水が溜まっており町内で必ず死人が出る。僧を呼び経をあげると泣かなくなった。2020/07/05
あたびー
38
創作と実話が混ざっているのかな?黒木あるじ氏の「椎名葉草」がものすごく良かった。青森版耳囊のようなもので、こう言うのがもう大大大好物なのだ。7にも収録されているらしい。早速買わなくては。2022/10/19
カナン
31
いいね、流石の面子ですね。一人飛ばしたけど、さらりと読むのには充分です。道尾さんの安定感。黒さんもこの方らしさたっぷりで良い。でも作品より平山夢明の対談が一番面白かったかな。京極夏彦との対談は清々しい毒々しさでファンにはたまりません。「あなたでもプレッシャー感じることあるんだね」って、平山さん、京極さんを何だと思ってらっしゃるの(笑) のびのびしながら「プロットもストーリーも排除した小説を書きたい」と語る京極さんと「だからあなたの小説困るんだよ」と突っ込む平山さん。大変楽しそうで何よりです。2015/01/25
ヒロくま
23
うん、面白かった!作家さんの顔ぶれだけでもうゾクゾクしてくる。久しぶりの怪談実話系だったけど期待を裏切らない感じがいい。2018/02/05
HANA
14
実話怪談をテーマにした競作集。だが、実話怪談とはあまり関係なくただの小説というのが幾つも含まれている。といって実話怪談を主とすると小説から離れてしまう。この二つの関係は実に難しいと再確認させられた。というわけで一番面白かったのは平山京極の対談や巻末の平山対談、平山夢明のびのびと発言しすぎ。巻末の日本怪談実話年表は本当に凄い。是非網羅したものが見たいものです。2011/06/28