- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 日本文学
- > MF文庫 ダ・ヴィンチ
内容説明
仕事中の“俺”は、ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇する。地図帖にはびっしりと、男の紡ぎだした土地ごとの物語が書き込まれていた。物語に没入した“俺”は、次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく―。第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作待望の文庫化!文庫版特別付録「『地図男』の地図帖」も収録。
著者等紹介
真藤順丈[シンドウジュンジョウ]
1977年、東京都生まれ。2008年、『地図男』で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。同賞を皮切りに、『庵堂三兄弟の聖職』で日本ホラー小説大賞大賞、『RANK』ポプラ社小説大賞特別賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で電撃小説大賞銀賞と、08年の新人文学賞4冠を達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shinji
85
発想は素直に面白いと思ったんですが… 理解力の乏しい私には合わなかったです。ムサシとアキルの話とか、区VS区の話なんかはもっと掘り下げてもらえたらよかったのになぁ... 募集要項があったから仕方が無いね。 それでも紡ぎ手と語り手の確立した部分や最後の話のまとめ方は収まりが良かったです。2016/06/17
Bugsy Malone
61
大判の関東版地図帖に様々な物語を紡ぐ地図男。偶然その地図帖を目にした「俺」は、そこで語られる物語に惹き込まれ、ある疑問を抱く。地図帖に書き込まれた物語はどれも面白い。しかし地図男の正体や「俺」が抱く疑問に対する確たる答えは、本を読み終わっても明かされない。でも何だろう、この読後感は。主人公の二人と秘密を共有した様な、ちょっとニヤニヤしてしまうこの気持ちは。「ここにも居るんだぜ、一緒に聞かせてくれよ!」2016/07/23
ももっち
45
感想を書くのを忘れてた。墓頭のイメージで読んだら、ちょっとガッカリ。地図男の紡ぐ物語たちは、ポップでエンターテイメントかもしれないけれど、地図に書き込む必要性がわからない。確かに最後の話はグッときた。でも、読み終えて、何故か消化不良のような気持ちがするのは何故だろう。うーむ、私が、極度の方向音痴で地図嫌いだからか?平山さんのメルカトルは、入り込めたのになぁ。疑問が疑問のままが、多すぎたのか?いつもは、そこを想像する楽しみがあるのだけど。やはり、東西南北の感覚が欠如してる私がダメダメなのか?2017/06/18
はらぺこ
37
結局何やったんか自分には分からんかったので、地図男の書いてる作品だけで良かった。東京23区の区章をかけて戦う話は映像化して欲しい。実写でもアニメでも可。2014/11/08
翔亀
32
【物語1】恩田陸の物語を物語った「三月」を読むと、無暗に物語を欲してしまう。第四の欲望とは、恩田さんもよく言ったものだ。現代の物語といえば、、、これなんかどうかなと読んだのが本書。直木賞作家のデビュー作だ。これなんかも物語を物語った作品と言えるだろう。首都圏の地図帳に無数の物語を書きつける男の物語。物語が自ら成長する物語を重層的に描いたという意味では、「三月」と似ている。計算し尽くされた「三月」に比べると、こちらはかなり荒っぽい。人物も荒っぽいし、構成も荒っぽい。ただ興味深いのは、映像=空間把握との↓2021/08/26