出版社内容情報
東 雅夫[ヒガシ マサオ]
著・文・その他
内容説明
怪談専門誌『幽』編集長、東雅夫が満を持して書き下ろす、トータルな視点による入門ハンドブック。
目次
第1部 怪談をめぐる七つのQ&A(怪談の定義とは?;怪談に特有の魅力とは?;ホラーと怪談の違いは?;なぜ今、ホラーではなく怪談なのか?;創作怪談と実話怪談;長い怪談と短い怪談;怪談の蒐集執筆のコツは?)
第2部 怪談の歴史を知る(古代の文学と怪談と;欧米怪談文学史をたどる;日本における怪談文芸の系譜)
著者等紹介
東雅夫[ヒガシマサオ]
アンソロジスト、文芸評論家。怪談専門誌『幽』編集長。1958年、神奈川県生まれ。早稲田大学文学部卒。『幻想文学』創刊から終刊まで一貫して編集長を務める。怪談やホラーのエキスパートとして多くの出版企画を手がけ、評論家として「ホラー・ジャパネスク」や「怪談文芸」のムーヴメントを提唱。1999年から京極夏彦、木原浩勝、中山市朗とともに「怪談之怪」を結成し、怪談文化の振興に尽力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イチイ
13
怪談の創作のコツや東西の怪談文学の歴史について語った評論集。情報量は膨大だが、既存の学説など根拠を求めることが少ないため(文献紹介はあっても、どういう議論がなされてきたかまではあまり触れない)、どこまで信じてよいものか判断ができず評価が難しい。著者の書籍は何冊か読んだがいつもこの調子で、読んでも内容が身につかないのでもう評論集は読むのを止めようと思った。2020/06/13
mittsko
6
目下ブームの「実話怪談」は、当初から怪談文藝と絶妙な緊張関係をもっていた 本書は、その最初期における批評的な達成の頂点だと、畏れ多くも私は評価させていただいております ブックガイドでもあり、怪談文藝の実作と味読を力強く後押ししてくれます ※ 私が全く不慣れな文藝文学の世界… そこでは、文筆の美意識はもちろん、知識の質と量、知性の煌めきと鋭さも、かくも強く求められるのだなぁ、と痛感させられました おそろしい… 私の如き素人がいっちょかみできるものではないんだな… 私なりの道を真摯に求めるしかないか…2025/02/17
王天上
6
これから怪奇幻想文学をしらみつぶしにしようとしている矢先に出会った、ありがたい一冊。膨大にありますね。最終的に古事記とか読んでいる自分に出会ったりするのだろうか。2016/08/28
ぼの
4
★★★★。「怪談」文芸の入門書。第一部のQ&Aも参考になるが、第二部に記された古今東西の怪談の歴史は読み応え十分。誤解を恐れずに極論を書くと全ての物語は怪談に通ず、という印象を受けた。この本に取り上げられている怪談は読んでみないと。2009/09/20
ハルト
4
なによりまず、先達たちの「怪談」というものに対する熱病のごとき情熱に、ただ圧倒された。古今東西さまざま「怪談」の知識に唸らされ、さらにまた「怪談」の深みへとはまりかけているのは、当然の仕儀と言うべきか。本来の意味あいは違うけれど、ニーチェの「深淵をのぞく時〜」という言葉を思い出した。「怪談」に闇の中から、こっちにおいでと誘われているかのよう。前半部は「怪談」というものをわかりやすく解題してあって、あらためて「怪談」というものの深さに気づかされた。2009/08/29