内容説明
第132回直木賞受賞作家最新短編集。本への愛情をこめて角田光代が描く新境地!泣きたくなるほどいとおしい、ふつうの人々の“本をめぐる物語”が、あなたをやさしく包みます。心にしみいる九つの短編を収録。
著者等紹介
角田光代[カクタミツヨ]
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学文学部卒。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞、03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で第132回直木賞受賞
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感想・レビュー
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hiro
119
‘本’と‘書店’にまつわる小説(ミステリーも含む)・エッセイが大好きだ。読メで角田さんのこの短編集を知り、図書館で直ちに予約した。以前、角田さんが旅行中のタイでマラリアにかかるなど、若いころのチープな海外旅行のエッセイを読んだことがあったので、『旅する本』と『だれか』は、小説というより角田さんが経験した実話のように感じた。また、短編の名手角田さんの短編はそれぞれ面白かったけれども、特に『ミツザワ書店』と『さがしもの』は、人と本のかかわりの強さを感じることができて、特に印象に残った。2014/04/04
団塊シニア
96
読み初めて気が付いた、以前読んだ文庫本「さがしもの」と同一内容であった、それでも読んでみると物語に引き込まれた、なぜか新鮮、のめりこむことができる、「不幸の種」「ミツザワ書店」「さがしもの」いずれも秀逸な作品である、短編作品の素晴らしさを改めて実感できた。2013/12/20
いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】
88
図書館**読者・ミーツ・ブックスな素敵物語**第132回直木賞受賞作家角田光代が、本への愛情をこめて描く新境地!泣きたくなるほどいとおしい、ふつうの人々の“本をめぐる物語”が、あなたをやさしく包みます。心にしみいる九つの短編を収録(紹介文・他より)――これは素晴らしい!本当に素敵で、なにからなにまで愛おしい!対人関係を考えさせられる本は数あれど、本との付き合い方を真剣に考えさせられる稀な傑作でした!もう素敵すぎて言葉に表せない。さて、、、私も"この本"を本屋に迎えに行こう!!2013/07/21
ふじさん
86
本にまつわる短編集。読書好きには、お勧めの1冊。私がこの本を読み終えたとき、今まで自分が読んできた本に想いを馳せました。亡くなった父親に勧められて読んだパール・バック「大地」、中学校の恩師に勧められて読んだ梶井基次郎「檸檬」、高校時代の友人から借りて読んだ島崎藤村「破戒」等、今でも強く印象に残っています。本が溢れるほどある時代に、私と出会ってくれた本が、私の人生をどれだけ豊かにしてくれたことか分かりません。好きなのは、「旅する本」「手紙」「不幸の種」「ミツザワ書店」等、人々の思いが本で繋がる感じがいい。 2025/01/19
風眠
81
本にまつわる出来事や、人々の人生の一瞬を切り取った短篇集であるが、「本」が主人公というか「本」が旅する、または旅にいざなう物語、という印象が強い。人はその時その時で、様々な本を手にするけれど、自分の心のありようであったり、旬であったり、相性であったり、その時々で同じ本でも印象が変わったりするものだ。そして、自分の意思で選ぶだけでなく、「本」に呼ばれることもある。それはとても幸せなめぐり合わせだ。いつか失くしてしまった自分の欠片を探すように、自分だけに呼びかける声を聴くように、これからも私は本を読む。2012/06/22
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