内容説明
巨匠・海音寺潮五郎「天正女合戦」や、単行本未収録の富田常雄「刺青」「面」など、小説の最高栄誉に輝きながら世に出ていない直木賞9作品を収録。
著者等紹介
川口則弘[カワグチノリヒロ]
1972年、東京都生まれ。直木賞研究家。本職はWEBデザイナー。筑波大学比較文化学類在学中より読書の楽しさに目覚め、その延長線上で直木賞に関心を持つ。非公式ながら最も詳しいと評判の直木賞研究サイト「直木賞のすべて」を運営
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
195
「雲南守備兵」第13回(1941年)直木賞。 戦局下、日中戦争を描いた物語である。 孫伍長・軍曹の視点で、中国の守備隊の 日々を描く。 本作:直木賞を受賞しながら 絶版などで読むことが できない9編を収録。 編著者の労力には 頭が下がる。 直木賞をめぐるエピソードも 面白い。 現代ではほとんど目にしない 戦中の風景が多く、新鮮である。 2014/04/20
kaizen@名古屋de朝活読書会
101
直木賞】第3回海音寺潮五郎「天正女合戦」第13回木村荘十「雲南守備兵」第18回森荘已池「山畠」「蛾と笹舟」第19回岡田誠三「ニューギニア山岳戦」第21回富田常雄「面」「刺青」第23回小山いと子「執行猶予」第53回藤井重夫「虹」収録。かーりるで調べたら愛知県内に20冊あることが分かった。それぞれの作品・著者の解説も丁寧。編集者の努力に感謝。2014/03/21
キムチ
42
直木賞受賞しつつも、その後入手困難となった幻9作7作家が俎上に。設定当時、直木賞と芥川賞の区別が明確ではなかったと言われているが、個人的には何となく色分けが出来ている。芥川賞はかっちり苦手。直木三十五個人にもそそられる面はあるのだが、今回は、賞にまつわる裏話を覗きたいのと「雲南守備兵」「ニューギニア山岳戦」を読みたい気持ちから借りた。海音寺のモノも入手困難になっているとは驚き。さすが、いずれ劣らぬ秀作、戦後混乱期からの時代背景もかぐことが叶い いい読書タイムだった。いつもながら思うのは秀作≠売れ筋
takaC
41
15年も積んでおいて気が引けるけど、こういう企画良いと思う。2019/08/24
NORI
26
森 荘已池「蛾と笹舟」「山畠」は、1943年直木賞。「蛾と笹舟」死の床についたお爺さんが、幽体離脱して、孫や息子に会いに行ったのかな?と思われる不思議な体験記。「山畠」毎日せっせと畑仕事に精を出していた母。彼女が倒れて亡くなった後、遺された畑をどうしようかと思案する中、丁寧に作り込まれた畑や、次に植えようかと仕分けされた幾種類もの小豆や野菜の種を見付け、亡き母を偲び、そのまま雑草だらけにするわけにはいけないと決意する。戦時中の受賞作品ながら、田舎の家族愛を表現した、ほのぼの、しかしちょっぴり切ない物語。2025/11/15




