出版社内容情報
私は羽生善治九段と170局近い対局をしているが、その中でも振り飛車の将棋が結構ある。それも4局取り上げた。二人とも基本は居飛車党だが、タイトル戦での番勝負の中で、「一局は振り飛車を指してみたい」と互いに思うことがよくあったのだ。そうしたいつも指している将棋以外の将棋を試す気持ちが、結果的に芸域を広げることや、技術を高めることつながった、と自負している。
(まえがきより)
本書は谷川浩司九段が43年に及ぶ将棋人生を自らの言葉で振り返る「谷川浩司の将棋」シリーズ第2弾、振り飛車篇です。
中学生棋士としてプロデビューしてから現在に至るまで常に一線で活躍し続けてきた谷川九段にしか語れない言葉あります。
本書は第1部は振り飛車の変遷を振り返る「講座編 私的振り飛車観」。第2部は自戦記という構成です。
大山康晴十五世名人、森安秀光九段など、往年の名振り飛車党を相手にした将棋から、羽生善治九段との激闘、さらには若手の菅井竜也七段の阪田流向かい飛車を迎え撃った将棋まで、谷川九段が選んだ珠玉の20局を詳細に解説します。
大山時代が終わり、将棋界の主流が相居飛車になってもなお、タイトル戦などの大舞台で絶えることなく指されてきた振り飛車の名局をぜひ、対局者である谷川九段本人の解説でお楽しみください。
内容説明
谷川九段が語る私的振り飛車観と珠玉の自戦記20局。
目次
第1部 講座編 私的り飛車観
第2部 自戦記編(思い出の山田定跡;兄弟子との名人戦;福崎穴熊と戦う;高橋王位に挑戦;大山先生との順位戦;全力で戦った一戦;初の竜王に就く;向かい飛車のさばき;羽生六冠に挑む;竜王奪還;8手目△6四歩に振り飛車;加藤棒銀と戦う;名人復位はならず;藤井システムを採用;システムを巡る駆け引き;初めての試み;元祖藤井システムと戦う;負けた方が降級という一番;2手目△3二飛戦法を使う;阪田流と戦う)
著者等紹介
谷川浩司[タニガワコウジ]
1962年4月6日生まれ。兵庫県神戸市出身。1973年5級で若松政和八段門。1976年12月20日四段。1984年4月1日九段。1983年、第41期名人戦でタイトル戦初登場にして名人位を獲得。21歳の名人は史上最年少記録。1997年、第55期名人戦で通算5期獲得で「十七世名人」の資格を得る。2002年、通算1000勝(特別将棋栄誉賞)達成。2012年12月から2017年1月まで日本将棋連盟会長。タイトル戦登場は57回。獲得は竜王4、名人5、王位6、王座1、棋王3、王将4、棋聖4の27期。棋戦優勝は22回(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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