出版社内容情報
今、囲碁AIの影響で盤上にさまざまな革命が起こっています。今まで常識と思われていた考え方がことごとく覆され、特に布石の打ち方は自由になっています。2016年、2017年は囲碁界の歴史においても特筆される年になると言っても過言ではありません。
本書は、そんな自由になっている布石の中でも、アマチュアにとって実用的なものを紹介しています。
著者は大橋拓文六段。囲碁AIに造詣が深いことで知られ、本書でもその知識を存分に活用し、囲碁AI独自の手や考え方も絡めて解説しています。
布石がどんどん新しくなっている現在、本書で新布石を学んで実戦に生かしてみれば、より囲碁を楽しめ、上達にもつながるでしょう。
内容説明
囲碁AIがもたらした新たな視点で新布石を見直し、融合を試みました。
目次
第1章 大高目
第2章 タイガージマリ
第3章 五の五
第4章 天元物語
第5章 天元解説
第6章 ブラックホール
第7章 蜘蛛の巣
第8章 自戦解説
著者等紹介
大橋拓文[オオハシヒロフミ]
昭和59年生まれ。東京都出身。菊池康郎氏(緑星囲碁学園)に師事。平成14年入段、25年六段。日本棋院東京本院所属。22年、第1回おかげ杯準優勝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
50
四線の石に肩ツキとか、序盤からの二線ハイとか、AIの碁は自由奔放だ。これは(「前に打った石の顔を立てろ」等の格言を作り物語を重視してきた)人間にとってケしからぬ打ち方である。両者の溝は深いのだろうか。しかしながら本書を読むと、AIの碁に人の解釈を加えることには大きな意義があると感じられる。なぜなら「五の五」「天元」等、人は様々な布石を試みて経験知の枠を広げようと努めてきたからだ。AIとの出会いはチャンスに成り得る。ただしそれにはAIの真似をするのではなく、碁盤を全体として見る方法をこそ学ぶべきなのだろう。2018/02/17
訪問者
5
大高目、タイガージマリ、ブラックホール、蜘蛛の巣などのAI時代の新布石が紹介されている。いや、面白いな。囲碁AIは人間には思いもよらない新手を打ち出しているし、囲碁界こそAIを最も活用している分野なのではなかろうか。2024/01/21
訪問者
3
AIによって囲碁の世界は新時代に突入したようである。他の分野でも同様の事が起きているのだろうか?2020/12/04
らっこ
2
大会も近いのでAIの布石は劇物かなと思いましたが、興味の方が優ってしまったので読みました。AIの解説というよりは、それに派生する布石の解説がメインでした。こういう新しい布石を見ていると、古い固定観念に囚われている自分の判断がぶれちゃいますね。それにしても、数年前まではAIは地にからい打ち方をするのかなと思っていたものですが、模様とか厚みの価値判断が人間より強いとは予想してなかったです。2018/01/26