出版社内容情報
2016年末から年明けにかけて囲碁AI「Master(アルファ碁)」が世界のトップ棋士相手に60連勝を飾り、大きな話題になりました。
そんな中、「Master」の打ち筋と似ていると、スポットライトがあたった二人の棋士がいます。
江戸時代の棋聖「本因坊道策」、昭和の碁聖「呉清源」。
肩ツキに代表される具体的な手法だけではなく、石運びの柔軟さ、相手の勢力圏でのサバキ、全局で局面を捉える視点、人間離れした着想など、碁に対する考え方にも多くの共通点があります。
本書では、序章でアルファ碁の特徴に触れ、1章でアルファ碁(Master)、2章で呉清源、3章で本因坊道策の碁を解説していきます。終章では、「アルファ碁」として打たれた碁を取り上げており、5月に公開された自己対戦譜も3局解説しています。
著者は、依田紀基九段。自身がトップ棋士であるのに加えて、古碁とAIの碁の研究にも余念がなく、独自の視点から述べられる明快な解説は必見です。
内容説明
名棋士が遺した熱血の局から囲碁AIが残した冷血の局を比較研究。依田が見た、碁の奥深さとは―
目次
序章 アルファ碁(Master)の特徴(黒・マスター 白・古力九段)
第1章 Master(黒・孟泰齢 白・マスター;黒・マスター 白・金庭堅六段 ほか)
第2章 呉清源(優勢になったら逃さない―黒・呉清源六段 白・前田陳爾六段;80年前の碁なのに新しい―黒・呉清源六段 白・木谷實七段 ほか)
第3章 本因坊道策・依田紀基(肩ツキ一本で―黒・本因坊道策 白・安井知哲;あまりの鮮やかな切れ味―黒・5子、雛屋立甫 白・本因坊道策 ほか)
終章 アルファ碁(黒・アルファ碁 白・柯潔九段;アルファ碁自己対戦 ほか)
著者等紹介
依田紀基[ヨダノリモト]
昭和41年生まれ。北海道岩見沢市出身。安藤武雄七段門下。55年入段。平成5年九段。昭和58年第8期新人王戦優勝。昭和59年18歳で名人戦リーグ入り(当時史上最年少)。平成7年第33期十段戦で初の七大タイトル獲得。平成8年第21期碁聖戦で碁聖を奪取。以降3連覇。平成12年第47回NHK杯優勝で3連覇を達成。第25期名人戦で初の名人位獲得。以降4連覇。平成15年第30期碁聖戦で防衛し、2度目の碁聖3連覇。平成29年通算1100勝達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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