出版社内容情報
ついにトッププロを破るまでになった囲碁AI。本書では、昨年行なわれたAlphaGo対イ・セドル九段、DeepZenGo対趙治勲名誉名人、さらにはAlphaGoの進化版である「Master」の対局を王銘エン九段が解説。最新囲碁AIの特徴と今後の展望を探ります。
内容説明
人類に勝利して1年―、AIは囲碁をどう変えたのか?怒濤の60連勝、アルファ碁の進化版「Master」登場。国内最強ソフト「DeepZenGo」の魅力と可能性。プロ棋士に今後問われることは?トップ棋士による最前線レポート。
目次
第1章 熱戦を振り返る
第2章 アルファ碁とディープゼンの相違点
第3章 コンピュータ囲碁の歩み
第4章 私とコンピュータ囲碁
第5章 囲碁とAIの将来
参考棋譜
著者等紹介
王銘〓[オウメイエン]
昭和36年生まれ。台湾出身。52年入段。平成4年九段。平成元年NEC俊英囲碁トーナメント優勝。平成12年第55期本因坊戦で初の七大タイトル獲得。平成13年本因坊防衛。平成14年第50期王座戦位獲得。平成23年第37期天元戦挑戦者決定戦進出。平成24年第2回マスターズカップ優勝。平成27年通算1000勝達成(史上16人目)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
52
前半は、イ・セドル×アルファ碁(アルファの4勝1敗)、趙治勲×ディープゼン(趙の2勝1敗)、世界トップ棋士×マスター(マスターの5勝)を解説し、後半でコンピュータ囲碁の歴史と展望について語る。私はコンピュータが苦手で囲碁は低段者だけれど本書は解りやすかった。AIの打ち方は人間と明らかに異なり、その特徴の一つは模様を使っての破壊力にある。実はAIの現れる前からこれに近い打ち方として王銘琬さんのゾーンプレスがあった。私は昔からこの発想が大好きなので、いよいよ銘琬さんとAIの出会う時代が来たとワクワクしている。2018/02/15
kokada_jnet
17
囲碁AIについて、もっとも楽しみにしていた著者による本が出た。元々、独自の囲碁理論と、AIについての見識をもっていた棋士であるため、AIの手についての見解も独特で面白いい。メイエン先生の理論をもとに、強いAIを作るというPJもやっていたそうだが、未完に終わりそうだ。2017/03/31
しんたろう
16
突然現れた囲碁AIに韓国のトッププロが敗れた。昨年春の alpha Go ショックから1年が経過した。その後の進化版 master は中国、韓国のトッププロ達に60連勝(web上で)したという。しかし囲碁界の人々はこの怪物の出現を面白がり楽しんでいる様子だ。(将棋界のプロには悲壮感さえある)各国の囲碁棋士は これまで信じられてきた定石に疑問を持ち、AIの打ち筋を模倣する流れさえある。囲碁 将棋ファンとしては人間がAIに抜き去られる瞬間に立ち会えた幸運を感じる。2017/03/17
訪問者
7
岩波新書の『棋士とAI』とほぼ同じ内容だが、アルファ碁対イ・セドル戦の棋譜等こちらの方が詳細な解説。カメラが絵画に与えた影響を分析し、「囲碁も今度の衝撃で、なにかから開放され、もっと大きなものを手に入れるようになるでしょう。」と予測している。2024/07/06
訪問者
3
アルファ碁、Master等の棋譜を基にAIにより囲碁の世界がどう変わったか、これから人間とAIはどう共存していくかについての示唆に溢れた良書。2020/11/30