出版社内容情報
公式戦22連勝を成し遂げたスペシャリストが、30年間こだわり続けた結果が詰まった一冊。
今から20年前、一人の若手棋士が公式戦22連勝という前人未到の記録を打ち立て将棋界は大いに沸いた。
その記録を成し遂げたのが塚田泰明六段(当時)であり、その原動力となった相掛かりの戦法は「塚田スペシャル」と呼ばれ恐れられた。
しかし戦法に対する研究も進み、徐々に以前のような輝きは失われてしまう。そしていつしか「塚田スペシャル」は消えた戦法の一つに数えられることになった。
これが多くの方が知っている「塚田スペシャル」の歴史ではないでしょうか。
しかし、終わってはいなかったのです。
塚田九段は独自にこの戦法の改良を重ね、なんと5種類ものバリエーションを創り上げていました。
「塚田スペシャルは衰退したと思われていた方も多いかと思うが、私の中では徐々にではあるが進歩を遂げてきた。それがパート2からパート5、つまり第2章から第5章に書かれている。これは実際に採用した順序でもあり、私の相掛かり戦における歴史をたどる構成になっている」(まえがきより)
塚田スペシャルとは相掛かりで飛車先の歩を交換した後、いったん▲2六飛と引き、機を見てもう一度▲2四歩と合わせていく戦法です。そして相手の歩をかすめ取る、端を詰めるなどの得を積極的に取りに行きます、また、途中相手の出方次第では大乱戦にもなりますが、それこそ塚田スペシャルの待ち受けるところ。縦横無尽に飛車を盤上に走らせ相手を翻弄します。
パート2はパート1の▲3八銀を▲5八玉に変えた形。▲5八玉型ならではの攻め筋が生まれます。
パート3は「塚田スペシャル」と「中原囲い」のミックスバージョン。玉の堅い将棋が好きな方にお勧めです。
パート4は横歩取りの出だしで▲3四飛とするところで▲2八飛と引く形の相掛かりで塚田スペシャルを炸裂させます。横歩取りに慣れた相手は目がくらんで対応できないでしょう。
パート5は「塚田スペシャル史上最も激しい形」という、右桂を攻めに参加させる指し方。一度戦いが始まったら落ち着くことはありません。やるかやられるかぎりぎりの戦いになります。
塚田九段は言っています。
「塚田スペシャルはその激しい戦法が故、いつ何時でも絶滅危惧種である。しかしそのたびに研究を重ね、改良を加えればいいと考えている」
公式戦22連勝を成し遂げたスペシャリストが一つの戦法に30年こだわり続けた結果がこの本に詰まっています。
第1章 塚田スペシャル1
第1節 基本図まで
第2節 基本図から△6三銀
第3節 基本図から△8二飛
第4節 塚田スペシャル1バリエーション
第5節 持久戦型
第2章 塚田スペシャル2 ▲5八玉型
第1節 基本図から△8二飛
第2節 基本図から△6三銀
第3節 ▲7六歩に△6三銀=持久戦型
第3章 塚田スペシャル3×中原囲い
第1節 ▲2四同飛に△8二飛
第2節 バリエーション編
第3節 持久戦編
第4章 塚田スペシャル4 ▲2八飛型
第1節 基本図から▲3六歩の変化
第2節 基本図から▲2八飛の変化
第3節 基本図までに派生した変化
第5章 塚田スペシャル5 ▲3六歩型
第1節 基本図から△8六歩の変化
第2節 穏やかな△6三銀
コラム 電王戦~あの日のことを思い出す~
【著者紹介】
1964年11月16日生まれ。東京都出身 1978年 4級で大内延介九段門 1979年 初段 1981年3月5日 四段 1988年4月1日 八段 2000年12月15日 九段 相掛かりや横歩取りを得意とし「攻め100%」と言われるほどの豪快な攻めの棋風。 第2回(1983年度)、第6回(1987年度)早指し新鋭戦で優勝。第17回(1986年度)新人王戦優勝。1987年、第35期王座戦で中原王座を破り、タイトル戦初挑戦で獲得。2008年12月、通算600勝(将棋栄誉賞)達成。 タイトル戦登場は2回、獲得は王座1期。棋戦優勝は3回。竜王戦は1組通算9期、順位戦はA級通算7期。将棋大賞は第13回(1985年度)技能賞、第14回(1986年度)連勝賞・技能賞、第15回(1987年度)技能賞、第42回(2015年度)升田幸三賞特別賞。 著書に「塚田スペシャル物語」(日本将棋連盟)、「塚田泰明の将棋 遊心」(マイナビ出版)、「楽しい詰将棋 一級・二級・三級」(成美堂出版)などがある。
内容説明
進化した5種類の塚田スペシャル!!塚田九段が独自の研究で創りあげた、相掛かりの超攻撃戦法。
目次
第1章 塚田スペシャル1(基本図まで;基本図から後手6三銀;塚田スペシャル1バリエーション)
第2章 塚田スペシャル2 先手5八玉型(基本図から後手8二飛;基本図から後手6三銀;先手7六歩に後手6三銀=持久戦型)
第3章 塚田スペシャル3×中原囲い(先手2四同飛に後手8二飛;バリエーション編;持久戦編)
第4章 塚田スペシャル4 先手2八飛型(基本図から先手3六歩の変化;基本図から先手2八飛の変化;基本図までに派生した変化)
第5章 塚田スペシャル5 先手3六歩型(基本図から後手8六歩の変化;穏やかな後手6三銀)
著者等紹介
塚田泰明[ツカダヤスアキ]
1964年11月16日生まれ。東京都出身。1978年4級で大内延介九段門。1979年初段。1981年3月5日四段。1988年4月1日八段。2000年12月15日九段。第2回(1983年度)、第6回(1987年度)早指し新鋭戦で優勝。第17回(1986年度)新人王戦優勝。1987年、第35期王座戦で中原王座を破り、タイトル戦初挑戦で獲得。2008年12月、通算600勝(将棋栄誉賞)達成(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こまごめ
kinaba
ぼいど
books