内容説明
羽生七冠前夜から渡辺デビューまで河口俊彦が描いた将棋界の“その時”。老師が内側から見続け、語り続けた「将棋の世界」がここにある―
目次
第1章 羽生善治、七冠達成まで(新・対局日誌 第1回;羽生を追う若手達;内なる積み重ね;張り合う才能;孤高の人 ほか)
第2章 七冠達成から渡辺明デビューまで(波乱のない最終局;しこりがほぐれる時;青春の耀き;江戸時代の天才たち;今後を占う一戦 ほか)
著者等紹介
河口俊彦[カワグチトシヒコ]
1936年11月23日生まれ。神奈川県横須賀市出身。1951年6級で(故)小堀清一九段門。1966年10月、四段。2000年4月、七段。2002年3月、現役引退。2015年1月30日、腹部大動脈瘤のため死去。享年78。追贈八段。将棋大賞は2004年度、東京記者会賞。順位戦ではC級1組に19期在籍。現役棋士時代から将棋観戦記やエッセイなどの著述活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハルトライ
1
「藤井フィーバー&羽生永世七冠」という大ニュースで将棋が賑わった今読むのにオススメの一冊。みんな書いていることだけれども、羽生七冠王が誕生した、当時の将棋と社会の空気が伝わってくる、この本だからこその味わい深さがある。河口俊彦氏に2016年、2017年と激震が走り続けた将棋界をぜひ書いてほしかった気もする。あえて言えば、「羽生と渡辺」というタイトルだけがひたすら、おかしい一冊なのだけど。2017/12/09
Hitoshi Hirata
0
藤井聡太四段フィーバーに沸く今、久しぶりに再読してみた。 河口先生がご存命なら藤井四段のことをどう書かれるんだろう。 「仮にもプロ棋士がこれだけバタバタ負けるのは情けない。とは言いつつも私もまったく勝てる気はしない」 なんてことをボヤかれるんだろうか(笑)2017/06/27
ぼいど
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河口先生追悼読書第3弾^^;羽生7冠が誕生した頃の将棋界の様子がわかるって意味では、その頃は「指す専(そんな言葉あるんかな)」でプロ棋界については新聞で棋譜や観戦記をみる位だった私にとってはとても興味深い話でした。 一方でタイトルの割には渡辺さんについての記載は少ないよね。まぁ「デビューまで」って書いてあるからしょーがないんだけどさ、タイトルでここまでどーんと出したにしちゃあ……って^^;2015/06/19
daichan
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奨励会時分、リアルタイムで読んだ部分を覚えている自分にびっくりした。 しかし、「諸君、脱帽したまえ」のあとに「とまで言うことはできない」と続いていたのは、覚えていなかったよ。2015/05/01
check mate
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羽生七冠誕生前夜から渡辺四段誕生直後まで。様々な棋士が活写される中、羽生さんや渡辺さんの為人はほとんど描かれない。にもかかわらず、だらこそ、両者の将棋界における像がレリーフ的に浮かび上がる。2015/04/12