内容説明
本書で語られるのは、ゼロ年代ビジネス書の総括から、出版業界の裏側、振り回される読者の実態、ビジネス書との賢い距離感の探り方、自己啓発・成功本における定番ストーリー解読、古典的ビジネス書のエッセンスまで…いわば「ビジネス書の攻略本」ともいえる充実の内容。
目次
第１章 ゼロ年代のビジネス書幻想
第２章 ビジネス書の掟と罠
第３章 「ビジネス書」というビジネス
第４章 ビジネス書に振り回される人々
第５章 “そこそこ”賢いビジネス書とのつき合い方
第６章 ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない
著者等紹介
漆原直行［ウルシバラナオユキ］
１９７２年、東京都生まれ。大学在学中からライター業を始め、トレンド誌や若手サラリーマン向け週刊誌などで取材・執筆活動を展開。これまでにビジネス誌やＩＴ誌、サッカー誌の編集部、ウェブ制作会社などを渡り歩きながら、さまざまな媒体の企画・編集・取材・執筆に携わる。現在はフリーランスの編集者・記者として雑誌やウェブ媒体の制作に従事（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
51
『読書で賢く生きる』からの流れでこの本を借りる。2000年あたりからのビジネス書出版社側書き手側からの考察も含めて論じる。粗雑乱造と供給過多の状況があり、古典と言われる本の焼き直しが多いのでそれらを読んでおくだけで十分だとする。結局「成功」ってなんだという根源的な問いもあり頷ける意見が多かった。余計な知識で頭でっかちになるよりも、現場での地道な試行錯誤が結局役に立つという。まっとうな意見で当たり前のことであるが流行りや新語に振り回される安直な方法を取ってしまうのは人間の性のようだ。新書にしてはよかった。2016/07/15
魚京童！
28
ああすれば、こうすれば、デキる人になるという考え方が間違っていると思うのです。2014/12/06
くさてる
24
乱立するビジネス書の現在を総括した内容で、とても面白かった。ビジネス書がもてはやされるに至った出版事情、そういう本に振り回されてしまった人々の陥る落とし穴、そもそもその手の本の主な内容とは？さらにそれでもお薦めの本まで、「ビジネス本」という存在の全体が分かりやすく読みやすい文体で語られています。その手の本をいくら読んでもその場ではなんとなくやる気になるけどすぐ忘れてしまう私のような人間には納得の一冊でした。お薦めです。2015/12/05
shikada
22
ビジネス書との向き合い方、ビジネス書出版の裏事情を生暖かいユーモアで解説する一冊。ビジネス書は出版不況の中でも、比較的堅調に売れ、またセルフブランディングを目論むビジネス書著者ワナビーのため、出版社がタイトル数を増やしてビジネス書の濫造状態になった。ここでいう「ビジネス書」とは、自己啓発や成功法則を語る本で、名著・古典の劣化再生産になっているもののこと。著者がいう「ビジネス書のお約束」が的確すぎて笑ってしまう。古典や名著と呼ばれる本をじっくり読もうという気にさせられる。2020/05/14
犬こ
22
タイトルから興味本位で手に取ってみました。 出るわ出るわの非難の連続(苦笑)ビジネス書に書かれていることは、必ずしも万人に当てはまるとは限らないけど、少なからずとも著者が実行したこと、考えを時間をかけ真剣に執筆しているわけだから、気づきはなにかしらあり、実際、役立ったことも幾太か。なにかの本に書かれていたけど、ビジネス書はユンケルのような活力剤。人それぞれ捉え方があり、著者の意見とは異なり個人的には無駄なく必要ジャンルかと。2016/12/07
