内容説明
クリシュナムルティは神について多くを語りたがらない。彼は、神、あるいは「神と呼ばれているもの」について、どのような理解をもっていたのだろうか?何百という講話の中で語ったわずかなフレーズから、その概念の巨きさと深さと超越性が伝わってくる。神は、彼の思想の根幹をなす不変のテーマでもあったのだ。
目次
ボンベイにて―一九六〇年一月六日
ペンシルバニア州エディントンにて―一九三六年六月一二日
ヨーロッパでの講演から、ロンドンにて―一九六七年九月三〇日
カナダ、シアトルにて―一九五〇年七月一六日
ヨーロッパでの講演から、パリにて―一九六七年四月三〇日
『最初で最後の自由』第二八章より
『未来の生』第四章より
『未来の生』第七章より 若人とともに
『生へのコメンタリー・シリーズ1』第一八章より
ボンベイにて―一九六五年三月三日〔ほか〕
著者等紹介
中川正生[ナカガワマサオ]
1940年、長崎県生まれ。1972年、法政大学大学院文学研究科博士課程単位修得中退。TBSブリタニカを経て翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nina
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クリシュナムルティが1936〜1980年の間に行った講演や対話、彼の残したノートブックなどのうち神について語ったものを収録している。彼自身は神仏の存在やそれらを崇めることに否定的ではあるが、絶対的なもの、偉大なもの、聖なるものの存在については肯定している。それは時に「真実在」や「美」という言葉で語られ、いかなる信念も偏見も持たずに自分自身を観察することが重要であり、心が何の影響も受けず独りで自由な時出会えるものであると言う。最後のボームとの対話が面白い。解説にある禅の影響についての指摘はやはりという感じ。2014/01/06