内容説明
過酷な労働と理不尽な暴力が支配する流刑地ブル島に一〇年あまりつながれた作家は、参照すべき資料もなく、渾身の歴史小説を書き上げた。プラムディヤの世界的な評価を決定づけた『人間の大地』四部作である。それはどのように書かれ、どのように島から持ち出されたのか。独裁政権によるたび重なる発禁を受けながら、小説は、どのように読まれ、国境を越え、いかにして世界文学となったのか。政治権力とのあやうい緊張に身をさらしながら、ペンを武器として闘い抜いた作家の姿を描く。
目次
第五章 政変まで 一九六〇年‐一九六五年(『インドネシアの華僑』と二度目の投獄;スカルノと「指導される民主主義」 ほか)
第六章 三たび政治囚として 一九六五年‐一九七九年(三度目の逮捕投獄;九月三〇日事件 ほか)
第七章 強権に確執を醸す 一九八〇年‐二〇〇六年(ETというパーリア;ハスタ・ミトラ社と『人間の大地』 ほか)
第八章 エピローグ(怒りに身を焼かれて;最期のとき ほか)
著者等紹介
押川典昭[オシカワノリアキ]
1948年宮崎県生まれ。ブル島四部作(『人間の大地』『すべての民族の子』『足跡』『ガラスの家』)の翻訳で第59回(2007年度)読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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