目次
第1章 食事を考える枠組み(ある食卓の風景から;食事を考える枠組み)
第2章 食事の背景(「熱い食べ物」と「冷たい食べ物」;イスラームと食;食材:菜市場を歩く;調味料・道具:台所の風景)
第3章 食の風景(家での食事;信仰の場所での食事;料理店での食事)
著者等紹介
砂井紫里[サイユカリ]
早稲田大学イスラーム地域研究機構研究助手。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。文化人類学専攻。1997年から中国福建を中心にアジアの食事と食べ物についてのフィールドワークを行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
270
著者の砂井紫里氏は文化人類学の研究者。本書は福建省を舞台にした食を中心としたフィールド・ノートを基に構成されている。福建省には、シェ族やここに登場する回族などの少数民族集団が存在するが、回族の人たちは主に省の沿岸部のいくつかの町に集住するようだ。そして、そのことは彼らの食生活にも大きく関わってくる。彼らはイスラム教徒ではあるが、中東地域のムスリムと比べると随分ムードも違えば、食生活も違っているようだ。そのあたりも著者の関心を引いたのだと思われる。中華世界と巧みに同化しているのである。そしてその歴史も長い。2025/03/08
ねこ
2
中華といってもメインというか漢族が幅をきかせているような地域ではなく、イスラム教が古くから地域と結びついて存在して、生活の一部となっているのを読んで、まっすぐしか見ることができないイスラム教徒ではない人たちの生活を垣間見れて、なんか安心できた。2014/12/10
河イルカ
1
高度経済成長中(2002~2010)の中国の一般の生活の貴重な記録になっている(作者の本来の目的ではないかもしれないが) オヤツにマックやケンタッキーを食べ、家ではガスコンロを使うが、電子レンジはまだない。 昼ご飯の残りは蝿帳をかけて夜ご飯に食べる、白飯はチャーハンにして暖め直して食べる。 また取材対象が、元々は回族だがイスラム教徒ではない、というのも非常に面白い。海外に留学して自分の本来のルーツであるイスラム教に改宗する人も多いという。 中国の多層的な文化の象徴に見える。2023/10/01