内容説明
旧幕府時代は十手取縄を扱い、明治に入っても捕物を生きがいとする「海坊主の親方」こと赤岩源蔵。その異名は、かつて天誅組を追っていたときに左耳を削ぎ落とされたその特異な容貌と相まって称されるが、一本気で豪快ながら、冴え渡るひらめきは、さながら名探偵そのもの。その名解決ぶりに思わず拍手を送りたくなる!本作は、一九七八年、第八十回直木賞を受賞した『大浪花諸人往来』シリーズから、秀作を選りすぐって復刊する全四巻のうちの第二弾。捕物帳作品の中では異色ともいえる明治開化期の大阪を舞台に、当時の社会状況や文化、風俗などが生き生きと甦る。
著者等紹介
有明夏夫[アリアケナツオ]
本名/斉藤義和。1936年大阪生まれ。45年に戦災で福井に疎開。同志社大学中退後、会社員を経て、72年『FL無宿のテーマ』で第十八回小説現代新人賞を受賞。79年、五度目の直木賞候補作『大浪花諸人往来』で第八十回直木賞受賞。2002年12月没
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年埼玉生まれ。文芸評論家。時代小説、ミステリーを中心に、評論・執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
莉玖
4
シリーズ2巻目。面白さは変わらず。この小説の舞台と自身の行動範囲が非常に近いので、地図で確認しながら登場人物の動きを楽しんで読んでいます。今はもう無くなってしまった町名もあるので、大阪の歴史を知る機会を頂いています。源蔵親方が頻繁に人力車を利用しますが、その際の車夫とのやり取りが結構好き。「一台抜くごとに1銭、祝儀はずむで!」みたいな。2018/01/06
はちくま
2
なにわの源蔵シリーズ2冊目。安定の面白さ。前作での登場人物が再登場して、また活躍したり、新たなメンバーが加わったり。強面なだけでなく、TPOをわきまえている源蔵親方、大人です。子どもに混じって遊んであげたりするところもいい。今後、新作が出るわけではないので、残りを読むのがもったいないなあ。2015/02/04
kikimimi86
0
☆3.52017/11/04
JET5
0
⭐⭐⭐2012/05/18