内容説明
本書は、現在、歴史的ともいえる新たなる展開の様相を呈しつつある「ドイツ会計制度の改革」を主題として取り上げ、その内容と意味を解明しようとしたものである。その際、中心的な役割を果たしているのが、1998年に改正・施行された、「資本調達容易化法」と「企業領域における統制および透明性に関する法律」という二つの法律である。本書では、これら二つの法律の内容と特徴を一国の枠組みを越えて進展している会計実務状況との関連づけのなかで明らかにすることをつうじて、ドイツにおける会計制度の改革が目指している方向とそこに含まれている問題が明らかにされている。
目次
第1章 会計の学び方―写像論から記号機能論へ
第2章 ドイツ会計制度の改革方向について―ダイムラー・ベンツ社のニューヨーク証券取引所への上場との関連において
第3章 ドイツにおける企業統治と会計制度の改革―「企業領域における統制および透明性に関する法律」を中心として
第4章 基準性原則の再検討とその意味
第5章 ストック・オプションの会計的意味
第6章 ドイツにおける新しい証券市場と会計制度改革の方向
第7章 監査制度の改革とその矛盾―決算監査人の独立性の危機
第8章 ドイツ会計制度の新展開―プライベイト・セクターによる会計原則の設定