内容説明
本書は、まず、第一は、19世紀末期から20世紀初頭、日清・日露戦争をへて韓国「併合」にいたる時期の日本が、世界政治のなかで占めた位置とその特質とを描き出す。そして、日本のこの帝国主義化に批判的な思想が、当該時期の日本のなかでどのように形成され、如何なる特質をもっていたかの一端を考察する。
目次
第1部 日本帝国主義の形成と東アジア(日本帝国主義の形成と国際的契機―研究史試論;日英同盟と日本の韓国侵略―日清戦争から日露戦争への一過程;日清・日露戦争論;辛亥革命と大正政変;韓国「併合」)
第2部 日本帝国主義批判の思想(幸徳秋水『廿世紀之怪物帝国主義』について;幸徳秋水の「帝国主義」認識―『廿世紀之怪物帝国主義』以前;『東洋経済新報』の植民政策論―1910年代の朝鮮政策論を中心として;本書収録論文の位置と若干の補足―むすびにかえて)
補論 日清戦争をとりまく国際環境