出版社内容情報
五七五の形式を破り、自由な韻律で詠む自由律俳句と随筆集。これまで穂村弘や俵万智ら言葉のプロを唸らせてきた、日本語を愛して止まない二人による日本語の競演。人気シリーズ10年ぶり第3弾!
内容説明
美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。鬼才と奇才。文学界の異才コンビが詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集。
著者等紹介
せきしろ[セキシロ]
1970年、北海道生まれ。文筆家
又吉直樹[マタヨシナオキ]
1980年、大阪府生まれ。吉本興業所属の芸人であり作家。主な著書に『火花』(第153回芥川賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
90
このコンビによる作品のうち、2冊目。今度は、自由律俳諧と写真と散文のバランスが変わっていて、散文の割合が少し増えた感じで、それもまたいい。相変わらずの繊細な視点がベースにあるのが伝わってきて、ある意味、心地よさがある。自分のこころと精神を、もみほぐしてくれるようだ。そんな俳諧の中で、「停まってるトラクターが静かだ」の句が、一番、響く。自家菜園をやっていて、小さいながらトラクターがあって、使っているので、この光景が浮かび、心に沁みる。2021/01/28
美登利
84
センチメンタル。お二人の自由律俳句の本、他にも読んだはずなのに検索しても出てこないって何故?私の勘違いだったのかしら。俳句も良いけれど、間に結構な量で挟まれるエッセイの味わいが深い。せきしろさんのお姿をネットで調べ拝見してびっくり!なんだか想像していた方とは全然雰囲気違うわ〜。せきしろさんが又吉さんと出会った経緯は悲しい逸話があったんですね。どの句が1番かは決められませんでしたがモノクロの写真と相まって感傷的な気分になります。良い意味で。2020/07/24
ホッパー
71
2人の自由律俳句とエッセイが交互に寄せてくる本。レビューを見て知り読む。又吉さんは元々ファンで、せきしろさんは名前だけ知っているくらいであった。変な執着というべきか、自分ルールがある2人で面白い。 自由律俳句については初めて知った、こういうものなのか。読み進めていくうちに気づくと心地よくなっていた。2021/03/07
ぶんこ
70
せきしろさん、知りませんでした。そして「自由律俳句」も知りませんでした。最初は(この短いつぶやきのような言葉の数々は何?)と理解不能でしたが、不思議なもので読み続けていると心地よくなっている。せきしろさんの自意識過剰ぶりや、周囲への気の遣い方に驚く。コンビニのコピーに並ばないとは、途中で並んだ人とありましたが、私も気づかずにやりそうです。又吉さんは思っていたよりは人付き合いが良いのにびっくり。もう一冊同じシリーズ?が手元にあり、早く読んで家族にまわさなくてはならず、読むか迷っています。2021/08/31
水色系
68
それぞれ好き→レジ袋越しにニラが見える(せきしろ)/一人足りないが出発することに決まった(又吉直樹)。間のエッセイも良~。お二人とも人間観察しすぎ、呼吸するように人間観察しとる、自意識が強いのって観察の結果としての言語化能力に長けているからなのでは?とちょっとだけ思った。もうずっとエッセイ書き続けてほしい。2023/01/22