内容説明
明治、大正、昭和…、時代の最先端として活躍した工場の役目を終えた姿がここにある。工場は廃墟の最終形であり、原風景でもあるのかもしれない…。『廃墟漂流』最終章、工業ニッポンの残像を巡る。
著者等紹介
小林伸一郎[コバヤシシンイチロウ]
1956年東京に生まれる。1978年専修大学経済学部卒業。1985年スタジオ、出版社カメラマンを経てフリーランス。1988年株式会社スタジオライズを設立。1991年第28回平凡社準太陽賞を受賞。1994年第5回コニカ写真奨励賞を受賞。1997年第2回東京国際写真ビエンナーレ・キャノン賞を受賞。2007年第38回講談社出版文化賞写真賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Romi@いつも心に太陽を!
10
図書館にて立ち読み。明治、大正、昭和と変遷した工業日本の文明遺産といえる工場たちの役目を終えた姿がただひっそりと収められている。鉱山やセメント工場、銅山、発電所、造船所。朽ちかけたコンクリート、錆びついた鉄筋に砂塵。風雨に晒され自然に浸食されてゆくその姿に、かつて全盛期だった頃の残像を見る。果てしなく退廃的でありながら無機質な美しさを放つ廃墟の姿。朽ちていくからこそ、美しい。2011/05/22
めい
3
かつての人の残痕と自然が折り重なり交わって朽ち果てる様がとても美しい。2023/03/29
だいこく
1
解説は完結で分かりやすかった。写真のチョイスは凡庸な感じ。2010/03/08
きりさめ
0
廃墟の写真集は数多くあれどマイベストは小林伸一郎さんの『最終工場』他の写真集ではジメジメとした空気感で嫌がる人もいるかもしれないけれどこれにそんな嫌悪感はない。作者独自の視点と演出で異世界の中に入ったような幻想的風景が切り取られている。ブレードランナーやアンドレイ・タルコフスキーの作品を思い起こす。2015/03/21
short
0
亡骸劇場よりも好き。2009/05/13