内容説明
「オレはもうすぐ跡形も無く消えてしまうのか!?」昼は編集者として働きながらも心は満たされず、ドラッグを求めうろつきまわる夜。オレ、そしてイデイは、いつか一層深い、脱出不可能な闇に引きずりこまれて行く。
著者等紹介
奥山貴宏[オクヤマタカヒロ]
1971年生まれ。山形県出身。日本大学芸術学部文芸学科卒業。5年ほど雑誌編集に従事したのち、2001年よりTEKNIX名義でフリーランス活動開始。2002年末に体調を崩し入院、肺ガンで余命2年の宣告を受ける。現在は治療を受けながら、雑誌やネット上にコラム、エッセイなどを連載
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ノックアウト
1
怖ろしいほどの疾走感。遺書であり長いラヴレターだと思った本。2008/10/11
パスカル
0
再読。自伝的な内容の一冊。イデイとは、実際に存在した友人なのか、はたまた架空の存在なのか。そんなことはさておき、重たい内容の小説。遺書代わりとなってしまったのが悲しくなってくる。 2017/01/20
いけせ@特異性信者
0
この人の本を昔全て買ったのを覚えている。どういうのだったかはさほど覚えてないが、俺の閉塞的な鬱とは違う消失思考ループの中でふと思い出したということは、結構インパクトを与えられたのかな・・・?
あひる 34号
0
一気に読み終えた作品。「忘れられたくない」というメッセージが強く残った1冊だった。どこまでがノンフィクションなのかどうでもよくなる。わたしはここまで自分の生に固執できるだろうか。2014/01/21
margarita
0
思っていたより、ずっと読み応えがあった。よくある闘病モノとは明らかに一線を画す。 奥付の手前に「... has vanished.」とある。自らのその言葉どうりに刊行わずか3日後に逝った作者を思うと、vanishing point 消滅点へひたすらに疾走する、そのスピード感が、いっそうリアルに迫ってくる。2010/10/27