内容説明
何度も何度も何度も結婚をくりかえす、不思議な女の子アイダのかわいくて不思議な物語。20世紀を先取りした、偉大なアヴァンギャルドおばさんスタインが、独特な言語感覚のすべてをつぎこんで書いた最高傑作。ついに登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
37
(再読)もしもタイムマシーンがあったら、1900年代初頭のパリに行ってみたい。ピカソ、マティス、セザンヌ、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド・・・今では誰もが知ってる芸術家がパリに集まっていた時代。面白かっただろうなと想像する。当時はまだ無名だった彼らのパトロンをしていたのが、小説の上でキュビズムを試みたスタインという女性。執拗な反復や言葉遊び、これをよく日本語に訳せたなと思う。要約すると、何度も結婚を繰り返すアイダという女の子の物語。何度読んでも「理解できた」という手応えを得られないまま、もう21世紀。2016/01/13