出版社内容情報
現代では、妖精はいたずら好きで可愛らしいものというイメージが流布しているが、かつては人々から恐れられる存在だった。シェイクスピアからティンカー・ベルまで、多くの事例や民間伝承とともに妖精のイメージ変遷をたどる。
内容説明
ヨーロッパでは、妖精は堕天使から生まれたと考えられていた。現代では、妖精はいたずら好きで可愛らしい存在というイメージが流布しているが、かつては世界そのものを破壊する力を持つとされ、人々は恐怖のあまり逃げ出したり、妖精の子孫とされる人々を痛めつけたりすることもあったという。シェイクスピアやジョン・キーツ、また作家のコナン・ドイルなどヴィクトリア朝の芸術家たちによって文学や芸術の分野で幅広く取り上げられている妖精はどのように表現されたのか。人々から恐れられた妖精がどのようにして『ピーター・パンとウェンディ』が登場するティンカー・ベルに代表されるイメージに移り変わっていったのか。数多くの事例や目撃談、民間伝承から妖精の概念がどのように発生し、人々に信じられるようになったかを丹念に考証する。
目次
第1章 起源、風貌、場所(死者の霊;妖精の住処 ほか)
第2章 目撃、遭遇、前兆(妖精の感覚;動物の妖精 ほか)
第3章 妖精の危険性(妖精と魔女;取り替え子 ほか)
第4章 文学と芸術(中世の妖精;シェイクスピア ほか)
第5章 妖精の魔力―一八〇〇年から現代まで(かわいらしい妖精―子供と女性らしさ;コティングリー妖精事件 ほか)
結び―緑色の霧
著者等紹介
サッグ,リチャード[サッグ,リチャード] [Sugg,Richard]
英ダラム大学で英語学科、ルネサンス文学の講師を務める。医療・医学の社会史や、中世から世紀末の神秘的な現象に関する著述がある。カーディフ在住
甲斐理恵子[カイリエコ]
翻訳者。北海道大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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