内容説明
’70年代、エイズがまだ存在しなかった頃、ニューヨークは、男たちがひたすら快楽を追求する桃源郷だった。エリート弁護士マローンは、すべてを捨てて狂乱の世界に身を投じていく。ドラッグ、セックス、そしてダンス。地上の楽園ファイアー・アイランド、黎明期のディスコ、果てしなく繰り返される夜、そして踊り続けた彼が見たものは…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Alice@JazzCafé
2
頽廃的でエキゾチックなニューヨークのゲイ・ゲットーで享楽的な生活に身を投じ、愛を求めて彷徨う主人公マローンのメランコリックな日々。まだエイズが蔓延する以前の70年代ゲイ社交ライフが描かれていて、ロマンチックでノスタルジックな雰囲気が漂い、マローンの絶望的な孤独感が切なく悲しい。物語ではマロ-ンの美貌とジムで鍛えられた肉体美が強調されるが、精神性よりもフィジカルな美の追求、貞操よりも肉欲に溺れたからだを描くことによって、夢の儚さや日々の虚しさを感じさせる。しかし最後はじんわりと温かさを感じるような読後感。2011/07/19
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